十国峠 A.山歩き/2.山紀行/・・十国峠

十国峠
熱海市姫の沢公園より石仏の道をへて十国峠へ



姫の沢公園から十国峠(日金山)−('03-01-09歩く)−
正月があけて、寒の入りになったばかりなのに、テレビで水戸の梅がほころび出したと伝えている。 もしかしたら熱海の梅林も、と思って姫の沢公園あたりの山をぶらぶらした後、梅林に行ってみるこ とにした。冬といえば富士山である。十国峠へ石仏の道から登ってみることにする。
熱海に入って熱海峠への道へ行こうとしたら「梅祭り会場」の標識がもう立っている。当てにしてい なかっただけに”これは帰りが楽しみだ”と思いうきうきしてくる。梅林の横を通ると梅祭りののぼりが はためき、白梅や紅梅が梢越しに見えて、これは間違いないと確信する。急坂をエンジンをふかして登って 行く。三島方面の道を左に見送るとまもなく熱海市姫の沢公園についた。ここは「日本の都市公園100選」に 選ばれた花の多い自然豊かな公園である。標高450mの入り口から十国峠の770m付近までの 広大な斜面に展開している。
さざんか駐車場で身支度をして出発する。靴は通常はスニーカーでも良い が、冬は凍った泥んこ道が溶け出してすべるので山歩きの靴とする。駐車場の左端から少し上ると 公園中央の階段に出る。その階段を登りきったところの広場の右端に道標が立っている。「シャクナゲ園、少年自 然の家、スイセン園」方面の矢印に従って右に舗装された道を入って行く。左にスイセン畑が見えるが残念ながら まだつぼみが固い。春にはよさそうなシャクナゲの道、桜の並木道を10分も行くと少年自然の家の裏門を経て変形 十字路に出る。道標がたっていて、ここを「石仏の道1.5km、果樹園100m、自然の家正面」方面の右下に 行く。すぐ丁字路となり、果樹園広場と書かれた標柱が立ち、「石仏の道」方面の道標が左をさしている。 正面は広い谷になっていてその斜面が果樹園であった。谷を隔てた向かいに左に緩やかに上がっている 大きな尾根が見える。あの尾根が石仏の道のようである。
道標にしたがって左に谷を廻り込んで行く。果樹園というから何が植えられているかと思ったら栗の 木が多い。道は谷の源流あたりから舗装が切れ、杉林の薄暗い道を回り込みながら尾根に緩 やかに登って行く。15分も歩くと右側が開けてきて東屋のある石仏の道に至る。公園から約30分である。
    石仏の道(熱海みち)
    基点は熱海市西山の明水神社。天明2年(1782)名主今井半太夫がなくなった子息の菩提を弔うためにここに 石仏を寄進した。その後熱海村の村長渡辺房求の呼びかけで日金山東光寺まで40町の参道に一町毎に 順次石仏が寄進された。寄進者は主として熱海の名家や江戸の商人が多いとのことである。全長2.7kmである。
ここの分岐点は23町目であった。この石仏の尾根道は広い防火帯のカヤトの道で、明るく気持ちの良い 道である。今まで登りはほとんどなかったがいよいよ尾根沿いの登りとなる。広いカヤトの防火帯の 中に姿の良い一本の木が立っていたりしている。登るにしたがってだんだん見晴らしが良くなり、 30町付近になると東伊豆の海が見渡せられる。上を見ると防火帯の明るい道が青空に向かって 伸び、その青空には白い雲がぽっかりと浮かんでいる。
雲を目指して30分も登って行く とやがて岩戸山入口になる。そこから岩戸山は往復1時間であるが、今日は帰りの寄り道があるので 省略してまっすぐ行くことにする。
ここでカヤトの防火帯の登りの道は終わり、平坦なアセビ のトンネルの道を行く。10分も歩くと湯河原へ下る道を右に分けてまもなく水子地蔵が沢山並ぶ日金山 東光寺に着く。ここが石仏の道の終点で40町目である。ここからは広い舗装道路を行く。10分位 行くと日金山霊園入口、姫の沢公園アスレチックコースの峠の広場入口につく。右斜め前方に登る舗装道路が十国 峠への道である。小さいが十国峠ケーブル駅方面の道標が掲げられている。
2,3分も行くと源実朝の 歌碑があり、その向こうに上の写真のような光景が突然現れる。道中、富士山が見られなかったので、 喚声がでるほどのすばらしい眺めである。その広々とした芝生の広場には人っこ一人もいない、その静け さと芝生の広さと単純さ、それに円形の展望台が富士山をさらに引き立てている。雲が富士山に引き寄せら れるように左から富士山の方に次から次へと流れて行く。 広場の真中に陣取り、そんな光景を眺めながら昼飯しを食べた。本当に至福の時であった。そのあと ケーブル駅まで行ってみた。名前の通り、箱根駒ケ岳、富士山、沼津アルプス、東伊豆の海、 真鶴半島、と360°の展望である。
帰りは霊園入口すなわち姫の沢公園の標柱の立つところからアスレチックBコースに入って行く。 順番にアスレチックの番号を追いながら下って行く。J番のところでAコースに入ってたどって行くと 展望台から約一時間で駐車場につく。下りの道は桜の木も多く、春とか紅葉のころはなかなかよさそうで あるが、今は駐車場付近の山茶花くらいしか花はなかった。

(コースタイム)
さざんか駐車場10:50--果樹園広場11:05--石仏の道入口(23町)11:22〜11:30-- 岩戸山入口12:05--東光寺12:16--霊園入口12:25--十国峠芝生広場〜十国峠12:30〜13:05--さざんか駐車場14:10

(地図)
1/25000地形図 熱海
昭文社 山と高原 箱根

(略図)


(写真)


●追記
  • 帰りがけに熱海梅林に寄ってみた。梅の開花は例年より3,4日早く、1/11 から梅祭りであるとのことである。予想したより咲いていた。3分咲きといったところであった。 蝋梅は満開であった。
    熱海梅林は西側に山があるために、3時ころには日差しがさえぎられてしまう。写真を写すなら14時ころまで である。なお、車の駐車料金は600円であった。
  • 姫の沢公園は花の公園である。なお、入場料、アスレチックは無料である。

1/9 熱海梅林にて

[山紀行]