A.山歩き/2.山紀行/・・八ヶ岳−硫黄岳

八ヶ岳−硫黄岳
ーー峰の松目鞍部から硫黄岳へ登るーー

硫黄岳(1996−7−30歩く)
昨年の夏休みは唐沢鉱泉から天狗岳に登った。林道を唐沢鉱泉へ入る手前に桜平 への分岐があり、気になっていた。今年の夏休みは桜平から硫黄岳に登ることにした。
自宅を4:15にでて、桜平には8:00についた。唐沢鉱泉分岐からの道は荒 れており、石や凸凹を避けながら緊張しながら走った。なんとか行きはノートラブル であったが、帰りは川を渡る際、バンパーの下を若干こすった。
桜平には既に5、6台の車が先に駐車していた。身支度をして、早速、歩き出す。 ゲートの先も林道が続き、林道歩きとなる。清流のせせらぎの音を聞きながら沢を 2回ほど渡って登って行くと、シラビソの林となり、上槻木方面からの広い道と合わ さった。
さらに林道を登って行き、沢にかかった橋を渡るとすぐ夏沢鉱泉であった。 夏沢鉱泉付近は広い河原になっていて明るく開けていた。右手の方には枝沢の 堰堤があった。一休みして夏沢鉱泉の看板をバックにして写真を写す。
夏沢鉱泉より少し行くと林道が終わり、ようやく山道となった。しばらく沢沿いの道である が、やがて右斜め上へジグザグしながら登っていくようになる。
登り切ると真っ直ぐな緩やかな道となり、やがて目の前が開け、オーレン小屋に 着いた。
オーレン小屋には涌き水があり、ひしゃくで飲んだが、水の味が感じられないく らい冷たい水であった。
硫黄岳に向かうわけだが、夏沢峠からか、赤岩の頭からか、どちらにしょうか 迷っていたが、今年は大気が不安定で午後にはガスがかかったり、にわか雨があった りするので、出来るだけ早く頂上に着くために赤岩の頭から登ることにした。
小屋の主人に赤岩の頭までの時間を聞いたところ、連れを見てか、峰の松目 の方に行って、稜線にでて行くのが、山の眺めも変化があり、また、 道も楽であるとのことであった。
アドバイスにしたがって峰の松目へ向かう。しばらく行くと赤岩の頭に直接いく道が左に分かれているが、 我々は右の道を行く。シラビソ林の斜面を左に見ながら、巻き気味に尾根の西端に ある峰の松目ピークの左鞍部を目指して登っていく。
鞍部の手前で少し登りがきつくなったがあっさり鞍部すなわち稜線にでた。 稜線の道は、最初、傾斜のきついところもあるシラビソの中の道で、ほとんど展望 もきかない。
しばらく登ると時々残り花をつけたシャクナゲやハイマツが見られるようになる。 そうすると、赤岳、阿弥陀岳が見え、これから登る硫黄岳も見えてくる。 さらに赤岩の頭に達すると硫黄岳、大ダルミ、横岳、赤岳、阿弥陀岳、と大パノラマ が展開し、すばらしい眺めである。
また、下に眼を移すと、右には赤岳鉱泉の屋根が見え、 左側はオーレン小屋からの道がはるか下から登ってきている。
赤岩の頭を過ぎてオーレン小屋、赤岳鉱泉分岐の十字路で前を見上げると、 硫黄岳山荘から硫黄岳へ緩やかに上っているガレ場の稜線にはケルンが等間隔に点々 と立ち、そこを6,7人のパーティが列を作って登っているのがシルエット 状に見えた。まるで影絵を見ているようであった。
足元をみるとミヤマキンポウゲ、岩キキョウが咲いている。いよいよ最後のガレ 場と岩場の登りとなる。だんだん雲が多くなり、視界がきかなくなって、岩場の登り ではすっかりガスってしまった。
岩場を越えるとガスでかすんだ広々とした平坦なガレ場にでた。小屋らしきもの とケルンと大きな案内板がかすんで見える。近づくと中学生風の団体さんが休んでパンを食べた りしていた。
そこが頂上らしく道標があり、消えかかっているが硫黄岳とあった。 桜平を8:15にでて山頂着は11:25である。
われわれも昼食とする。すっかりガスに覆われ視界は夏沢峠、横岳方向 を示す大きいケルンが見える程度で山は何も見えない。
しかし、ガスの間から時々薄日がさすので雨の心配はないようだ。日帰りである ので、12時まで休んで夏沢峠方面に下ることにする。
夏沢峠方面に歩きだすと、右手に硫黄岳の噴火口壁らしい輪郭が火口から湧きで るガスの切れ間から時々見える。はっきり見えないだけにかえって迫力を感じる。
左手を見ると、火山岩の斜面がところどころハイマツなどにより緑に塗られている。 下は緑色濃くオーレン小屋まで続いている。自然の造形は不思議である。ごろごろし た岩だらけのところもあれば、平板状の岩だらけのところもある。
ケルンなどをたよりにジグザグ降りていくとさらに傾斜はきつくなり、眼下に 夏沢峠の小屋の屋根がはっきり見えてくる。登るってくるパーティとも3組ほどと会う。
若いパーティにこれからどうするのか聞いたところ、硫黄岳山荘に泊まるとの ことであった。
相変わらず山頂付近はガスっていて何も見えない。この下りは急でよく登って くるものだと感心する。赤岩の頭方面から登ったのが正解だったと思う。
今まで風通しがよく涼しかったが夏沢峠の樹林帯に入って蒸し暑くなる。 やがて峠に着いた。
峠にはボッカのアルバイトであろうか5、6人の大学生風の青年が休んでいる。 我々も休憩し、あと15分でオーレン小屋の冷たい涌き水がまっているので、 水を惜まず飲むことにする。
硫黄岳方面を見ると運良くガスが切れて、火口の荒々しい迫力ある岩壁が見え、 写真を写そうと思っているうちにガスで隠れてしまった。記念に道標と小屋をバック に写真を写し、オーレン小屋にくだった。
今回はガスって展望がよくなかったが、赤岩の頭まで比較的晴れていたので ラッキーであった。次の機会には硫黄岳山荘のお花畑、横岳、赤岳と足を伸ばした いものだと思いながら、長い桜平への道を下った。

(コースタイム)
自宅4:15−相模湖IC5:27−双葉SA6:13〜37−諏訪IC7:10− 桜平8:00〜15−夏沢鉱泉8:43〜50−オーレン小屋9:35〜40− 赤石の頭分岐10:00−鞍部(峰の松目分岐)−赤石の頭11:00〜05− 硫黄岳11:25〜12:00−夏沢峠12:45〜13:00−オーレン小屋 13:20〜30−桜平14:30

(地図)
・昭文社 山と高原の地図 八ヶ岳・蓼科
・峰の松目付近略図


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