A.山歩き/2.山紀行/・・赤城山・鈴ケ岳
赤城山・鈴ケ岳

ー満開のレンゲツツジ咲く白樺牧場からヤマツツジのトンネルをくぐって鈴ケ岳へー


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☆レンゲツツジ咲く白樺牧場☆朝霧の大沼☆
☆覚満淵のズミ☆レンゲツツジ☆稜線に咲くヤマツツジ☆


プロローグ(白樺牧場と覚満淵)
近場のレンゲツツジの咲く山はだいぶ登ったので、チョと遠いが赤城山の荒山 ・鍋割山へ登ってみることにした。前日は武尊山麓の花咲湿原を廻って赤城山 大沼の国民宿舎緑風荘へ入る予定であったが、朝から雨が激しく降っているので、 直接、宿へ行くことにして、自宅を10:00頃出発した。
環八が渋滞し用賀から関越の入口まで1時間半も掛かってしまった。しかし、 高崎ICに着いた2時頃には、雨もあがり、赤城山へ上る道路は霧が晴れ、山までは 見えないが見通しが良くなってきた。
赤城山への南面道路は、しばらく直線的に上っており、赤城山の裾野の広さを 感じさせてくれる。 徐々に高度を上げて道もカーブしだすと、まもなく荒山という標識のある駐車場の 脇を通り過ぎた。明日は荒山・鍋割山に登るつもりなので、ここまで降りてこなけれ ばならないな、と思いつつ登っていく。
道端には待望のレンゲツツジが見えだしたが、なんと、すっかりしおれている。 もうツツジは終わったのか、とがっかりする。気を取り直して、くねくねと カーブを登っていくと、今度は花の付いているレンゲツツジが 現われだした。それを見て、なんとかツツジは見れそうだとひと安心する。
そうこうして上っていくと、前面が開けてきて、右手に朱色のレンゲツツジの原が目に 飛び込んできた。スピードを緩め、右手を見るとツアー客らしい団体さんがレンゲ ツツジの咲く原を散策している。すぐ正面には、エネルギー資料館の赤い屋根が見 えてくる。その前の駐車場に車を停め、写真を写すことにする。
車の外に出て、左側を見ると白樺牧場が一面レンゲツツジの朱色で染まっ ていた。雨に濡れてしっとりとした色合いの朱色のレンゲツツジと白樺であろうか 木立とのコントラストが実に美しい。また、牧場の向うには鈴ケ岳への尾根が連 なっている。時々、尾根は霧でかすみ、その霧が牧場まで降りてきてはレンゲツツジ を覆い幻想的な美しい風景を見せてくれる。
今が満開である。しおれている花は一つとない。花と出会っても本当の満開の 時に会うのは極めて稀である。本当に良いタイミングであった。 大沼へ向う道から見える見晴山の斜面も真っ赤に染まっている。
余りにも白樺牧場付近のツツジがすばらしいので、明日は白樺牧場を基点に鈴ケ岳 へ登ろうかと思う。 大沼の傍のビジターセンターで荒山・鍋割山のツツジの様子を聞いてみたところ、 頂上付近はよいかもしれないが、荒山高原は終わっているかもしれない、というこ とであったので、明日は鈴ケ岳へ登ることにした。
緑風荘への途中、覚満淵への道標があった。ついでに一周することにする。白樺牧場 より標高が高いのかレンゲツツジは3分咲き程度であった。雨が降ったことも あり、人影もまばらである。コナシ、シダ、レンゲツツジに彩られた夕暮れの沼が静かにたたずみ、 背後の山を水面に映しこんでいる。そして、時々、鴨のつがいが波紋をつくり、山影 を揺らしている。一周おおよそ20分であった。

鈴ケ岳(2000-6-15歩く)
エネルギー資料館より白樺牧場牧柵沿いに南に200m位下ったところにに鈴ケ岳 の登山口があった。その左側の赤城南面道路を隔てたところに駐車場があり、そこに 車を停めて身支度して出発する。
エネルギー資料館から左手に見えた尾根へまず登る。最初、牧柵沿いに登って行く が、やがて牧柵より離れ白樺、小笹の茂る道を登って行く。直登する道と迂回する道 があるが、どちらを登っても7分程度で白樺の大木の立っ尾根の基点に達する。
尾根には白樺、ダケカンバ、ミズナラの木々の中にヤマツツジが咲き乱れ、 ヤマツツジの橙色のカーテンとトンネルのところを幾度となく通過する。また、レンゲツツジは日差 しを好むのか、樹林が開けて日差しの当たるところには満開のレンゲツツジが咲いている。
本当にこの稜線はヤマツツジが多いところである。しかも、昨日、白樺牧場で見たツツジ と同様、ヤマツツジもしおれた花がなく、正に旬である。 これほどタイミングのよい時期に出会ったことがない。
いつのまにか牧場の牧柵が尾 根の右側に続いている。しばらく平坦な道を牧柵を友連れに行くと姥子峠に着く。
そこからいよいよ牧柵と離れ登りとなる。しばらく登って行くと道標は ないが姥子山らしいピークに到達する。アカヤシオなのか松肌の木が多く見られる。 一旦下るとやがて鍬柄峠に着いた。
ここから急登が続く。今まで樹間の道でほとんど展望はきかなかったが、突如右側が 開け岩場の展望台となる。左下には大沼、正面には薬師岳、眼下には橙色のツツジの 点在している白樺牧場が眺望される。
そこから少し登って下ると開けたツツジの咲く鞍部 となる。前方を見るとツツジの点在している急斜面を山道が登っている。 そこを登りきると鍬柄山(1562m)であった。 山頂にはツツジが多く、展望がすばらしい。上越の山だろうか、残雪の山も見渡 せられる。
ここから折角登ったと思ったのに延々と下る。この辺はミツバツツジやシロヤシオの落 花が見られ、この種のツツジが多いところのようだ。下りと平坦部を3回ほど繰り返 すと広い平坦部に達した。左側が開け、遠くに山が見え、大きなミズナラの樹間に ヤマツツジが美しい。
しばらくだらだら下った後、最後の急降下となる。下生えが笹の斜面にミズナラ、ダケカン バ、カラマツの大木が程よい間隔で並び、ところどころに橙色のヤマツツジが彩を 添えている。自然林の美しい所である。
下りきると大ダオとなった。この付近は「鈴ケ岳自然環境保全地区」 に指定されていて、樹齢120年以上のミズナラ、ダケカンバ、シラカバ、の天然林 地帯である。
これより、いよいよ最後の鈴ケ岳への登りとなる。急登はミズナラの道から始まり、 さらにシロヤシオが咲いている大きな岩がある登りを2ケ所ほど通過すると岩場の 大展望台に達する。
眼下に緑濃い鈴ケ岳の自然林の樹冠が広がり、前面には今日登るはずであった 荒山、鍋割山が見える大パノラマである。
ここを過ぎると傾斜も一旦緩み、一息 つける。しかし、5分も歩くと、また、大きな岩のゴロゴロした登りとなる。道端の所々に 石碑が見えてくると、やがて、上に空が開け頂上に着いた。
頂上には川越から来たご夫婦が休んでいた。山岳信仰の地らしく鈴ケ岳神社、 赤城山神社、愛宕神社の三つもの神社の石碑があった。頂上からは荒山方面は展望され るが、上越の山々は雲でかすみ見えない。記念写真を写し、小休止した後、 もと来た道を下った。
ミズナラ、白樺、ダケカンバ、ヤシオの樹間をハルゼミやカッコーの声を聞き ながら、また、ツツジのカーテンとトンネルをくぐりながら、無事、白樺牧場へと下山した。
山では、ほとんど人と会わなかったが、白樺牧場付近は山の静けさとは打 って変わって観光客でにぎわっていた。

(コースタイム)
登山口8:35−姥子峠8:53−鍬柄山9:40−大ダオ10:05〜10 −鈴ケ岳10:35〜55−大ダオ11:20−鍬柄山11:50〜55− 姥子峠12:22−登山口12:45〜13:00−高崎IC14:47− 関越出口16:15−用賀16:55−厚木IC17:20−自宅17:50

(地図)
・1/50000 地形図 沼田
・ガイド 上州山歩(読売新聞社)