A.山歩き/2.山紀行/・・赤城山・長七郎山
赤城山・長七郎山




ーアカヤシオとオオカメノキの花を愛でながら山上の湖をめぐるー

赤城山・長七郎山(03-05-11歩く)
今回の目的は赤城自然園へ行くことであった。 ついでに時間があったら赤城山の大沼あたりで何か写してみようかと思い 「ドンピシャ登山」さんに 花の情報をお聞きしたところ、鳥居峠付近のアカヤシオが満開であるという。 それではついでに付近を歩いてみようと思い立ち長七郎山へ登ることにした。
4,5日前の天気予報では5/11は晴れであったが前日になって予報は午後から雨となった。 しかし、天気図を見ると高気圧と高気圧の間の前線のない低気圧が通過するときの雨のようであった。 大した事はないと判断し計画どおり行くことにした。
今回は赤城ICを降りて赤城山へ向かった。山麓を巻くアップダウンのある道を西の方に向かい 県道前橋赤城線に交わったところを左折して登ってゆく。 しばらく登ると右の新緑の見通しのよい雑木林の中に真っ赤な山ツツジの株が3っほど見える。そして 写真を写している人がいる。余りにも新緑の中の山ツツジの赤が新鮮であったので、車を止めて 写させてもらった。その人達は驚いたことにもう鳥居峠のアカヤシオを写した帰りであった。
それを聞いて気がせき、さっさと写して赤城山へとまた登った。新緑が段々萌黄色になり、さらに冬枯れの景色に 成って行く。白樺牧場の北側の斜面の白樺の木の白い冬枯れの木肌の林立がすばらしい。 また、道草して2,3枚写した。
大沼へ下る白樺林の中にも淡いピンクの山桜が一本咲いている。 いい光景である。写したいが、車を停めるスペースがない。残念な気持ちを押さえながら大沼へ下り、覚満淵 入口の前の駐車スペースにやっと車を停めた。

だいぶ前置きが長くなったが、久しい冬眠からさめて出かける春の山は、行く途中から、 ながめる風景のすべてが新鮮で、感激の連続であり本当に楽しい。
身支度を整えて覚満淵の左側の道に入って行く。 晴れていたらアカヤシオが見えるであろう左側の山の斜面はガスで見えない。沼の周りはほとんど冬枯れの 風景であるが、淡い早咲きの山桜一本が彩りを添えている。10分も行くと、鳥居峠への 分岐となり、左に入って行く。
左の斜面の樹間を見あげると待望のピンク色のアカヤシオが三箇所ほどあった。久しぶりのアカヤシオとの 面会である。写真を写しながら愛でながら行く。さらに多くなると期待したが道は山の斜面から遠のき、代わりに ミズナラの大木と白い花をつけたオオカメノキが現れる。
冬枯れのさびしい樹間のオオカメノキの花もアカヤシオに劣らずシンブルで清楚ですばらしい。 道は左に折れて峠に上って行く。間もなく人の声がして鳥居峠の少し手前の自動車道にひっこり出た。
4,5人が三脚を立てているが、アカヤシオはガスでうっすらとしか見えない。ジッと晴れるのを 待っているうちにガスが切れてきた。眼下に覚満淵の湖面がモノトーンの中に空を映し輝き、右斜面を見ると アカヤシオのピンクが点在している。ガスで霞んで幻想的なすばらしい景色である。残念であるが長続きし ない。すぐガスの中に隠れてしまった。写真も数枚写したので、長七郎山の方に向かうことにする。
登山道は峠の茶屋の右脇にあり、「関東ふれあいの道」のようで、良く整備された道であった。 道は右下がりの斜面を巻き込むように緩やかに登って行く。ダケカンバ、ミズナラ、コナラ、白樺の混じる 気持ちの良い道である。あちこちに白いオオカメノキの花が点在して冬枯れの林に彩りを添えている。
しばらく行くと木の階段が斜面の上に伸びていっている。家の2階に上がる階段を置いた感じである。 名づけるなら木道階段とでもいったらいいのかもしれない。また、その階段はなかなかステッブが手ごろ で歩きよい。
その階段を登りきると真新しい案内板が立っ広い林道に出た。林道は小沼から登ってきている道のようである。ここを左に行く。道は広くて緩やかに蛇行しながら 登って行く。高度が上がってきたので、樹木は完全冬枯れ状態で、熊笹の緑だけが彩りである。
10分ほど登ると分岐 となり、道標が立っている。左斜めが小地蔵岳方面で、長七郎山は右斜めである。ここからは左が切れている 尾根の比較的平坦な道を行くようになる。しかし、左がさえぎるものがないために冷たい風が直接吹き上げてくる。
この尾根道はツツジの群生地があったり、若木のダケカンバが点在したりする比較的低木の気持ちのよい 尾根道である。分岐から12分ほどであっけなくピークらしい登りもなく頂上に着いた。頂上には多くの石を積み重 ねたケルンがあり、そばに「長七郎山」の標識が立っていた。
頂上はそれまでと変わってさえぎるものがないガレ場である。しかし、ガスで遠くまで見通し効かず、見るべくものがない ので記念写真を写して直ぐ下った。
余り目標物のないガレの広い尾根をまっすぐ下る。 ガイドではガスが濃い時は注意となっていたが、踏み跡もあり、ケルンが所々にあり、見通しも100mくらいは あったので心配なく下ることができた。約4,5分下ったところに道標があり、そこから樹間の道で直ぐ右下に 急降下する()。
5分ほど下ると緩やかになり、部分的な白いザレの道を行く。さらに行くと左側の小高いところに長七郎山 登山口の標識がある分岐点()に達した。 ここは分岐であるが、登山口という看板以外に道標がないので注意する必要がある。
ここには広い林道が一つ左に伸びている()。さらにそれと やや平行して山道が下っている()。また、右側には の延長の林道として小沼の方に下っている。この小沼への右に行く林道は林に隠れて下ってきた場合見えなく 左の道に入りやすいので注意を要する。
ここで樹林の広い道を右に入って行く。直ぐ沼が見えてきて沼の周回の道に突き当たり、 これを左に行く。山上の湖小沼はガスに煙る山々に囲まれ静かにたたずんでいる。 湖畔の周回の道は早咲きの山桜やオオカメノキの花が咲くプロムナードコースである。
約半周位するとガードレールが見えてきて直ぐ近くを自動車道路が走っている。いったん自動車道 に出て、左に行くと前面に地蔵岳が見えてくるようになる。そうすると自動車道のゲートらしき ところに右に入る広い広い道がある。道標がないがここが大沼へ下る道である。
直ぐ、左手を仰ぎ見ると 木道階段が延々と地蔵岳の斜面を登っている。それを見送ってまっいすぐ下って行く。石がごろごろした 道で歩きずらい。両側の樹林にはオオカメノキが多く点在している。また数は少ないが山桜も見られる。 やがて下に大沼が見え、一下りすると赤城スキー場の横に出た。
県道をそのまま突っ切って大沼湖畔に 下ると見晴らしがよくなり、向かいの駒ケ岳の斜面を見上げると、アカヤシオが山肌をピンクに染めていた。 それは山歩きのフイナーレにふさわしい光景であった。国民宿舎緑風荘の前に出て、右に行き 今朝ほどの覚満淵の入り口について山歩きを終えた。

なお、この後「赤城自然園」に行き、13:00〜15:30まで園内の花、シャクナゲ、シラネアオイ、 山ツツジ、ヤマブキソウ、イカリソウ、山吹、ズミ等や新緑を見ながら散策を楽しんだ。自宅には 19:35に着いた。

(コースタイム)
自宅4:30−赤城IC7:20−覚満淵入口P8;05〜15−鳥居峠8:32〜50 −小沼分岐9:10−長七郎山9:32−道標A9:38− 分岐B9:50〜10:00−小沼10:10−地蔵岳(大沼)入口D10:32−赤城スキー場11:05−覚満淵入口P11:20

(地図)
・1/50000 地形図 沼田
・ガイド 上州山歩(読売新聞社)


●追記
当日の「赤城自然園」は シャクナゲ、山ツツジ、ヤマブキソウなどが満開で、すばらしかったです。是非立ち寄るとよいです。 ただし、土日祭日のみの開園です。 また、自然園から赤城ICへの途中に農産物直売所があります。