A.山歩き/3.山紀行/・・編笠山
編笠山

ーー観音平からドウタンツツジのトンネルとモミの美林を行くーー


梅雨の中、週末には晴れるとの週間天気予報であったが、予報が外れ、 雨天の出発となった。中央高速の甲府付近でも雨が降っており、双葉SAに 来てやっと雨が上がった。しかし、また、八ヶ岳に近づくと雨となった。
雨の中、午後は晴れてくるという予報を信じ、小淵沢ICでおりて観音平の グリーンロッジに向かう。観音平に近ずいてもまだ雨である。時間稼ぎに 延命水でポリタンクに水汲みを行う。
ようやく雨は小降りになり、グリーンロッジ の駐車場に行き、登る身支度をする。こんな雨の日でも我々だけでなく結構登る人 がいるようだ。 レンウエァに身をつつみ出発する。
グリーンロッジの周りの草原にはアヤメやミヤマオダマキが咲いている。 その草原の広い緩やかな道を登って行く。梅雨で冷えたせいかカラマツ林の下 には赤いベニタケが生えている。
やがて登りがやや急になって、右側に谷を見 ながら尾根づたいに登る。今日はいつになく調子が悪く、もう汗をかいて ハアハアいいながら登る。おおよそ標高差1000mも登らなければならないのに先が 思いやられる。
やがて雲海展望台に着く。雨が上がって雲海の上に富士山が顔を覗かせている。 ベンチに腰かけ、雨上がりのすっきりした景色を眺めながらひと休みする。
この付近は遅咲き のレンゲツツジがみられ、少し行くとドウタンツツジの群生地になっており、 登山道は落花でピンク色に染まっていた。
やがて、木々の種類はモミ、ツガに変り、 暗い林の中を幹に巻きつけられた赤テープに導かれて登る。何もない単調な登り である。グリーンロッジから2時間ほど登り押手川に着く。
案内板があり、 押手川の由来が書いてあり、この付近のモミの美林の看板もある。今日は結構雨が 降ったので沢らしき窪みを水が流れている。その時、気がつかなかったが押手川は 青年小屋への分岐になっていた。
押手川からモミ、トウヒの美林の中を相変わらず赤テープ、ペンキで書いた丸や 矢印を目印に結構きつい道を登る。
押手川付近からシヤクナゲも混じるようになる。 しかし花は既に終わっている。45分位登ると岩が多くなり、形の良いシヤクナゲ が岩場に生えている箱庭のような展望台に着く。
小淵沢方面は遮るものが無く、見晴らしがよさそうだ。しかし、今日は生憎 曇っており展望はきかない。さぞかしシヤクナゲの花が咲く頃はよい景色 だろうと想像しながらひと休みする。腰掛けた後ろには小さなイワカカミが群生 しており、疲れた気持ちを和ませてくれる。
そこから岩がゴロゴロしている道を行く。途中梯子があったりする。 今日は調子が悪いせいもあるが、相当きつい登りで、5、6歩登ってはひと休み しながら登る。やがて、両側はモミ、トウヒからハイマツに変ってくる。
最後の一直線の登りをあえぎあえぎ登る。 ハイマツも切れて石がゴロゴロしている斜面に出る。ガスって見通しがきかないが 少し登ってゆくと霧の奥に道標らしきものが立っている。
先に着いた夫婦が写真 を撮っているので頂上かもしれないと思った。ようやくたどり着くとゴロゴロした石 の頂上であった。 周りを見てもガスって何も見えない。
昼になったので昼飯とする。 風が冷たく汗がだんだん冷くなってきて体が寒くなってくる。これ以上頂上にいても 何も期待できないので、早々にもと来た道を下ることにする。
「ここは花も無いし、ガスって見晴ら しもよくないし、もう二度とこなくていいなあ」と妻と話しながら、長い長い2時間 30分の道を下った。
しかし、家に帰っていろいろ調べてみると、頂上の展望のよさに驚き、また、 青年小屋付近はお花畑であること、押手川へ周回するコースもあったこと、権現岳まで行って 八ヶ岳神社へ下山し、観音平に戻るコースがあること、などわかった。
今回は急に思い立っての山行で調査不足であった。今度は下ではツツジが咲き、 上ではシャクナゲの咲く頃、展望の山、編笠山に登りたいと思う。 (1995−7−9歩く)

(コースタイム)
自宅4:21−相模湖IC5:26−双葉SA6:12〜36−観音平7:30〜40−雲海展望台8:42〜50−押手川9:40〜50 −シャクナゲ展望台10:35〜45−鉄ハシゴ11:00−森林限界11:20 −編笠山11:30〜50−シャクナゲ展望台12:25−押手川13:00 −雲海展望台13:40〜45−観音平14:30

(地図)
・昭文社 山と高原地図 「八ヶ岳」

●追記

  1. 観音平の少し手前に名水の延命水があります。水が出ていないこともありますが、蛇口付きですので、 蛇口を廻すとでます。
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