A.山歩き/3.山紀行/・・甘利山・千頭星山
甘利山・千頭星山

ーー朱色のツツジが点在する甘利山、 千頭星山の明るく開放感溢れる草原ーー


今年は梅雨に入っても雨が降らず、ずっと晴れていたが、単身赴任の身で、出張で久しぶり に自宅に 帰ってきたら前日から梅雨に戻った。雨が降っても笠をさして歩けるところ、 ということで甘利山に行くことにした。
運良く当日の朝は空は曇っているが雨が上がっていた。自宅を4時30分に出発した。 中央高速は当初霧雨程度であったが双葉から韮崎までは小雨となった。
甘利山の展望のきかない薄暗い林道を進み、明るく開けたと思ったらカッパを着た 係員が3人ほど立っており、車を誘導された。また、良く見ると屋台がズラリ 並んでいた。 梅雨で人もいない静かな土曜日と思っていたが、広河原に来て びっくりした。ツツジ祭りだったのだ。
幸い雨は霧雨程度になったったが、レインウエアーを着て出発する。 まだ早いので人はまばらであるが、マイクロバスの団体さんが到着した。 これから続々とやってきそうだ。あまり賑やかにならないうちに 登ろうと急ぎ足で行く。甘利山までの道は、両側がロープで区分され整備されていた。
少し登ると、予想に反し雨が上がり、千頭星山方面の山がガスの切れ間から見 えてきだした。
ヤマツツジはやや盛りをすぎているようであるが、レンゲツツジは満開であった。 下を見ると朱色のレンゲツツジの草原が遥か下のほうまで伸び、雲海に浮かんでいる ようだ。一方、前方は、甘利山頂であろうか、朱色のレンゲツツジの丘に白樺、カラマ ツが点在し、そのコントラストが美しい。
頂上は平坦で、標識があってそれとわかった。しばらく写真を写していたりして いると、下の方から大勢の人が登ってくるのが見える。頂上はあの人たちに譲ることにして 千頭星山の方へ向う。
笹とツツジの緩やかな 下りとなる。後から来る人はなく、急に静かになった。周りにはヤマツツジがチラホラ咲いて おり、向う正面のピークの斜面にはピンクのツツジの群落が点在している。
下りきって平らになると右にスキー場への道が分けている。そこから登りとなり、 次々とツツジが現れ、疲れをいやしてくれる。ヤマツツジの大きな株や ドウタンツツジが咲いている。足元を見ると紫色のグンナイフウロも咲いている。 写真を写しながら急登する。
ようやくピークらしいところに到達してみると、 右手の笹の原の斜面の上にヤマツツジの大きな株が見事な花を咲かせている。 カラマツが屏風のように引き立てている。このピークは奥甘利で、ヤマツツジの 名所のようである。
ツツジの多いのもここまでであった。そこからカラマツの林を緩やかに下る。 やがて、右側に笹の原が明るく広く開けている。開放的で気持ちのよいところである。
そこからカラマツ、モミなどの針葉樹林の中の急登となる。ひと登りすると 鞍部となり、冷たい風が通りぬけている。左前方には千頭星の稜線が見える。 まだまだあるようだ。
さらに登ると、カラマツにサルオガゼが下がっており、深山の趣がする。 やがて、稜線に出たように平坦になり、美しいダケカンバの木が目立ち、少し行くと 右手はチョとした草原となっている。
ここより、また樹間の登りとなり、前方が明るく近いようであるがなかなか長い。 ようやく登りきると大西峰であった。青木鉱泉への道が右に分けている。
左に緩やかに登ると、やがて、広い広い笹の原が明るく開け、前方遥か先に千頭星山 のピークが見える。草原はダケカンバ、カラマツが点在し箱庭のような美しさである。
のんびり歩いていくと、やがて最後の登りにさしかかる。この辺で始めて下って 来た3人組みのパーテイと会った。登って行くと展望が良くなり、 雲海の上から八ヶ岳が頭をのぞかせている。
頂上はカラマツ林の中で展望はないが、山梨百名山の標識がある。 それをバックに写真を写す。頂上は我々だけであったが、休んでいるうちに 中年の夫婦や6人ほどのパーテイが到着する。頂上は狭いので、入れ替わる ように下った。
下りだしたら雨が落ちて来た。また、途中、想像以上に多くの人が登っ てくる。朝、早く登ったので静かな山歩きができ、しかも雨にも降られずよかったなぁ、と 思いながら下る。
奥甘利山の下りではバス2台、60人くらいのツアーと遭遇した。通過するまで 随分待たされた。疲れきった人もいる。軽装備の人もいる。雨が降ってきて これから本当に千頭星まで行けるのかよそごとながら心配になった。
甘利山に戻ってくると朝方の静けさとは打って変わってカメラマン、ツアー、 軽装の一般観光客と大賑わいであった。横道にそれ、幾分静かなところで 昼食とし、山歩きを終えた。(1999−6−19歩く)

(コースタイム)
自宅4:30−相模湖IC5:50−大河原7:50〜8:00− 甘利山8:25−大西峰10:00−千頭星山10:30〜40− 甘利山12:15
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