A.山歩き/2.山紀行/・・雁ガ腹摺山
雁ガ腹摺山

ーー富士山と競いなが登る展望の山ーー


自宅を5:10ごろ出発した。6時半頃、相模湖IC近くに来たところ、電光掲示板 が大月手前で事故渋滞7Kmと表示していた。そのまま20号線を行くことにする。 帰りは時々通るが行きでは始めてである。
くねくねとした国道を少し行くと、大月23Kmとある。30分強掛かりそうだ。 ようやく大月市内を抜け、本来出てくる大月IC入口に着く。昨年もトライしたが、 天気が悪く断念した。
その時の記憶で橋を渡ったらすぐ右折、真木温泉がキーワードであった。 しばらく行くと真木温泉1Km先信号右折との標識があった。それをたよりに進む。
橋を渡ったらすぐのところに信号があり、真木温泉方面の看板もあった。 こんなに橋をわたってすぐの右折とは思わなかったのであわてて右折する。
やがて見覚えのある狭い道の街並みとなった。真木温泉は左折の看板があるが、 直進する。桑西までは狭いが、それ以降は広く良い道となった。
紅葉の林道をどんどん高度を上げて進むとカラマツが多くなり、富士山が見え るようになるとほどなく大峠に到着した。
峠には駐車スペースがあり、トイレもある。 500円札の富士山の見える山ということでカメラマンに人気が高いようだ。 夜明けの富士山の写真を狙って登って行ったのだろうか。もう駐車場は満杯に近い。
車の外へ出ると昨年と同じように冷たい風が強烈に吹いて木々の枝を鳴らしてい る。昨年は天気が悪かったので風が強いと思ったが、どうも大峠は風の通り道の ようである。
しかし、今日は快晴である。昨年からの1年越しの望みはかなえられそうである。 ウインドブレイカーを着て完全武装して出発する。大峠の右側に尾根が前方に伸び ている。それに取付くために尾根の右側を巻くように沢を二つ渡って、メインの 尾根目指す。
右手を見ると黄葉のカラマツの間から澄みきった青空に真っ白く雪を頂いた 富士山が見える。さらに岩のごろごろした沢を木の橋で渡り、いよいよ尾根への登 りとなる。
ダケカンバ、ブナ、ミズナラの木々はすっかり落葉し、さえぎるものが無い。 木々の間を冷たい北風がビュービューと吹き抜けて行く。
急登は疲れるが立ち止まると寒くなるので、のろのろ出来るだけ立ち止まらない ようにして登る。
やがて「吹切の峰」分岐につく。そこからひと登りすると平坦なところにで、 ダケカンバ、ブナ、カラマツの大木のある気持ちの良い道となる。 木々の間から正面向うにピークが見える。あれが頂上だろうか、何か柱が立っている。 もう一息である。
平坦部で呼吸を整えて登りにとりかかる。しばらくすると斜面の緩やかな ところに達し、その上に、下から柱に見えた枯れ木の立つピークが見える。 それを目指して笹の道を再チャレンジする。
背後に富士山が良く見えるようになり、登って振りかえる度に富士山がせり上 がってきて雄大さを増してくる。
大峠付近であれほど強かった寒風もウソのように静まっていた。笹の斜面を登り 切ると正面にこれまでの風景とは全く違った、予想もしなかった、なだらかな スロープのカヤトの原が広がっていた。
道を外れたところにカメラを構えた先客が3組ほどいる。そこが富士山の眺めが よいポジションかと思い近づいて眺めるがそんなに変らない。 自分の好みの適当な場所で富士山を写す。
頂上はどこだろうか、とカヤトの原の上を見るとシラカバの木が白く輝きテーブ ルらしきものが見える。写真を写すのでだいぶ道草をしたが、大体1時間弱で頂上に 着いた。
頂上には五百円札の富士山の撮影説明看板があり、その傍で富士山をバックに また写真を写す。富士山がすばらしいので夢中で写真を写したが、それも一段落して ゆっくり見渡すと、カヤトの原は木々に包み込まれ、風も無く、秋の柔らかい日差し が降り注ぎ、暖かい雰囲気の空間となっていた。
少し下ってカヤトに座って一休みする。本当に幸せな時間である。1日中寝転ん でいたい気持ちであった。
大峠まで林道が伸び楽に登ってこれる。これから年取ってからの楽しみの場所が また一つ増えた。
40分ほど休み下る。天気は良いものの昼になって、ややかすんで見える富士山 を真正面に仰ぎつつ共に下る。評判通り富士山の眺めの良い山であった。
(1995−11−4歩く)

(コースタイム)
自宅5:07−大峠7:30〜45−雁ガ腹摺山8:30〜9:10−大峠9:40

(地図)
・昭文社 山と高原地図 大菩薩嶺
・1/50000 地形図 丹波

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