A.山歩き/2.山紀行/・・石割山
石割山

ーー輝く湖面と富士山の展望の山ーー


石割山(1998−1−3歩く)
昨年の10月頃から足の関節が痛み出して、どうにか日常は気にならない程度まで なった。しかし、山に登るとなると大丈夫か気になり、余り高い山は躊躇してしまう。
今年の正月はどこに行こうかいろいろ思い巡らし、神社があり富士山が見え、 温泉のある山、石割山とした。
天気予報の晴天日を選んで1月3日とした。朝7:00に自宅を出発し、 東名を通り、籠坂峠を経由して山中湖に入った。峠を越えると風景は一転し、雪景 色であった。木々は霧氷でおおわれ、道路には残雪があり、徐行しながら慎重に下る。
山中湖周回道路は霧であった。ライトを付けて霧の中を走る。幸い、視界は効かな かったが、道路には雪が少なく、順調に石割山鳥居の駐車場についた。
登り口からいきなり、急な石段である。家内が途中まで数えていたが、 そのうち分らなくなるくらい多く、正確には分らないが、300段くらいあっ たろうか。
だんだん登るにしたがって冬木立の間から真っ白に雪を頂いた富士山が見える ようになる。この石段で相当高度を稼いだようだ。石段が終わると東屋があり 休憩する。
そこからはブナ林の尾根の林道のような広い比較的平坦な道を行くようになる。 しばらく行くと富士山方向が切り開かれ、ベンチのあるところとなった。そこで 一休みする。 眼下には霧に一部覆われるた山中湖が見え、その上にどっしりと富士山が横 たわっている。
その後も広い道を尾根の右側を巻くようにいくと、やがて石割神社の奥社に着 いた。3回岩の割れ目を通るとご利益があるとのこと。
3回廻り拝み、さらに岩の割れ目からしみ出て流れ溜まったステンレスの容器 の水を、ステンレスの柄杓で飲んだ。万病に効くとある。
この奥社から笹の急登になり、残雪も多くなる。あえぎあえぎ登ると頂上に 踊り出た。今まで何も見えない道から急に開け、真っ白に雪を戴いた富士山の迫力 には感動する。
雲一つない快晴で、空気は澄み渡っている。右を見ると雪を頂いた南アルプス の山並もパノラマ状に展開している。風もなく、暖かく本当に良い天候に恵まれた 正月登山である。
しばらく、風景に見とれ、写真を写したり、写してもらったりした後、平尾山 方面へ下る。残雪の道を富士山を正面に見ながらのダイナミックな下りである。
いったん下ると平坦な尾根を残雪を踏みしめながら行くようになる。 本当に気持ちの良い尾根歩きである。右側には杓子、眼下には忍野の街並みを見 ながらの尾根歩きである。
約35分も行くと平野への分岐に着いた。そのまま平野のへ行くつもりであった が、頂上で一緒だった人が平尾山の方から戻ってきた。 「向うも、とっても良いですよ」の言葉に誘われて、平尾山へいく。
5分位で着いた。平尾山は石割山から伸びる尾根の南端のピークになっていて、 展望がすばらしい。眼下には、山中湖、大平山への尾根および別荘地、正面には 富士山、遥か右には南アルプスの山並等が展開している。すばらしいパノラマである。 多くの人が休んで展望を楽しんでいる。
5分位休憩して、平野分岐へ戻り、道を右斜めに入る。左側にカヤトの斜面を 見ながら、トラバース気味に日溜りの道を行く。
道の右側を見ると赤い実をつけた野バラが多い。また、今年は暖冬のせいか、 もう、ニワトコの芽が芽吹いている。
やがて平坦な道を過ぎると尾根の階段のある下りとなる。 富士山は平尾山から伸びる尾根に隠れて頭だけをのぞかせている。しばらく下ると 平坦となり、カラマツの混じる雑木林の中を行くようになる。
右を見ると富士山が大分顔をだしてきている。12時も近いので尾根の見晴らし の良いところで弁当を広げることにする。20分くらい休憩して出発する。
このまま行くと国道413号線の赤い鳥居のところに出て、舗装道路を20分 も戻らなければならない。駐車場への近道がないものか、左に気を付けながら下る。
そうすると右側が開けベンチのあるところに出た。そこに左に下る立派な道が あった。地形からして駐車場の近くに下るはずと見当をつけて、その道をジグザク 下る。
10分も下ると、下に堰堤が見えてきた。さらに下ると、広い林道が堰堤までき ているのが見える。
河原を渡り、対岸の林道にでて、林道を5分も下ると、今朝、車を置いた鳥居 のところに着いた。
その後、石割の湯(700円)で一風呂浴びて帰路についた。御殿場に着くと、 東名が渋滞していたので、一般道の246号線を行くことにする。
今年は暖冬のせいもあり、山北付近では、もう、菜の花がチラホラ咲き、 梅も咲き始め早春の香りを漂わせていた。




(コースタイム)
自宅7:00−石段下駐車場8:30〜40
−石割山10:00〜10:15 -平野分岐10:50
−昼食20分休憩−ベンチのある分岐11:50
− 駐車場12:10

(地図)
・1/50000地形図 山中湖
・昭文社 山と高原地図 富士・富士五湖
・石割山略図 左図










二十曲峠から石割山(2001-9-25歩く)
秋分の日をはさんだ連休のここ数日は大陸の高気圧が張り出してきて、久しぶりに秋の青 空の透き通るような爽やかな日が続いている。
連休であり、どこへ行っても混雑しそうだ。 じっと我慢して連休をやり過ごす。晴天が続くか分からないが連休明けの火曜日でも何処かへ 行こうと思っていたら友人から火曜日高校の同級生と一緒に一杯やるから空けておいてく れと言われ、また我慢する。
ところが、当日の9:00頃になって、実は9/25でなく 10/25であつた、すまんすまんと連絡がきた。外を見ると快晴である。これは儲かったと、 富士山でも写しに行こうと、急いでザックにカメラと「富士・富士五湖」の地図を詰め込み準備する。
忍野の方からコスモスでも入れて富士山を写そうと思う。 早く着いて、時間があれば石割山へ登れるかもしれないと思い、その前に、二十曲峠に行って富士山 を写すことにする。
いつもより大幅遅れの10:00に出発する。茅ヶ崎からの富士山は霞ん でいたが、御殿場、山中湖と近づくにしたがって、クッキリ見える。忍野村に入って花の都 公園とかの脇を通るが、花は終わりかけて余りぱっとしない。ガソリンスタンドに立ち寄り、 ヒマワリとか、コスモスの様子をきくが、花についてはご推奨のところはなく、むしろ二十曲峠 からの富士山を推奨してくれた。
二十曲峠へのマップをもらって林道を登ってゆく。林道の分岐 の要所々々には道標があり、それに導かれて上って行く。峠は広くなっていて、水がででおり、トイレ と東屋まである。富士山方面の西側はさえぎるもののない大展望台である。
富士山は昼ごろなると霞んだり雲に隠れたりするが、今日はまだはっきり雄大な姿をみせている。 しかも、2,3日前に急に冷えて富士山頂付近は雪で白く染まり、稲妻模様の登山道がクッキリと見える。 眼下を見渡すと忍野村の田んぼが黄金色に輝いている。何時も、写真にすると見た目よりぼんやりしているので 、今回はPLフイルターを付けて写す。
一通り写し終わって時間をみたところ、12:10である。道標を見ると石割山50分とある。 これでは十分時間がある。登山靴に履き替え、12:16に出発する。
赤松の混じる雑木林を登ってゆくと、左側にベンチがあり、太い赤松が二本立っており、 夫婦松と石碑に書いてある。そこから同じような暗い雑木林をしばらく登って行くと 、チョッと開け送電線の鉄塔の立つ広場となる。ここから送電線の鉄塔の立つ尾根を登ってゆく。
登るにしたがってだんだん開けてきて、後ろを見ると緑濃い杓子山が競りあがってきている。また、 左側は防火帯のようなところで、いろいろな草花が咲いていたようである。今はノコンギク、トリカブト、 イタドリの花が咲いている。また、右側は所々で雑木林が切れて富士山が見られる。そのうち第二鉄塔に 到達し、平坦なところとなるがすぐまた登りなり、右側には金網のフエンスが連なり、内側にはフシグロセンノウ、 ワレモコウ、ノコンギク、トリカブト、アキノキリンソウが秋の日差や木洩れ日に輝いている。
昼食抜きで登ってきたが、さすがに昼も大分過ぎて力が入らなくなってきた。ノコンギクの咲く道端で 昼食を取ることにした。昼食後右に富士山を見ながら秋の暑いくらいの日差しを受けながらカワラナデシコ、 オヤマボクチの咲く道を緩やかに登ってゆく。やがてまた鉄塔が見えてきて、ひと登りすると鉄塔の立つ広場に 到着する。
ここからは雑木林に入っゆく。緩やかに登ってゆくと、左側が防火帯のとなり開け、右側は カラマツ林の尾根となって、道は尾根の左を巻くように斜面をトラバース気味に登ってゆく。その斜面には 名前はわからないが穂状の紫の花殻をつけたシソのような野草が一面に群生している。するとすぐ前に また鉄塔が立っている。鉄塔の傍の道標には右を指して石割山1分とある。左側にも山道があり、 道標には案内がなかったが、御正体山への道のようである。
トリカブトの咲く草地を登りきると見覚えのある石割山山頂に飛び出した。山中湖の上に浮かぶ富士山は 雄大で本当にすばらしいが、残念ながら大分霞んでいる。登った証をPLフイルターを思いっきり効か して写真に写し込み、のんびりと秋の爽やかでのどかな尾根の道を下った。途中、登るときには気が付かな かったがヤマブドウまで見つけて食べた。ひと歩きした後のせいか思いのほか甘酸っぱいヤマブドウは美味 であった。二十曲峠には14:45に戻った。本当におまけの山歩きにしては気分爽快であった。

●二十曲峠追記
  • コースタイムは登り50分、下り30分です。忍野八海とかのついでにでも手軽に登れます。
  • 林道は舗装されています。峠には水場、トイレもあり、駐車スペースも十分あります。
  • 略図は石割山の略図を参照ください。

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