A.山歩き/2.山紀行/・・甲州高尾山
甲州高尾山・棚横手山

ー白銀に輝く南アルプス・八ヶ岳・奥秩父の山並みと眼下の街並みの大パノラマー


自宅を5時に出発する。ゴールデンウイークの飛び石の休日であるが、比較的空い ていて順調に勝沼ICに着く。そこから勝沼ぶどう郷駅を目指すと、今日、登る高尾山 が見える。南斜面が山火事で茶色になっている。
駅前の道を経て前宮に着き、前の広場に駐車して出発する。誰も人影は無く静か である。沢沿いにキヤンプ場の中の道を登って行くと、右側の山肌にガードレールが 見えてきて、三滝橋のたもとに出る。
そこからは左に舗装された林道をくねくねと登っていく。昨夜まで雨が降って いたので周りはガスっていたが、どんどん晴れてくる。登るにしたがって、 だんだん見晴らしが良くなり、梢の間から雲海に浮かぶ雪を頂いた南アルプス、奥秩父の 山並が輝いて見える。
途中、おびただしい軽トラックの軍団がやって来る。山火事の後始末をする作業 員だろうか。上にあがるにしたがって、益々展望が良くなり、山桜の混じる新緑の山 々がまぶしいくらいである。
1時間20分歩いて大滝不動入り口に着いた。どうもここまで車で入れるようで ある。大きな赤い山門があり、急な石段の奥には赤い祭殿が迫って見える。その背後には 水量は少ないが、かなりの落差のある雄滝の岩壁がそそり立っている。 岩壁にはピンク色のミツバツツジが点在し、彩りを沿えている。
祭殿の右に赤い橋があり、そこが高尾山への道である。ミツバツツジの咲く 斜面沿いの道を登っていくと、やがて杉林の道になり、ほどなく林道に出る。 そこは三叉路となっており、道標があった。
左は富士見台、真直ぐは高尾山、右は展望台とある。まず、展望台に行くことに する。小さい鳥居をくぐると高い舞台に飛び出たようにパッと視界が開け、目の前に 、雲海の上に輝く八ヶ岳・奥秩父の山並がパノラマ状に展開している。眼下には、 マッチ箱のような勝沼、塩山、甲府の街並みが広々と見渡される。
本当に絶景である。これだけでもう今日は来た甲斐があった。写真を写し、 一休みした後に高尾山方面の道標にしたがって林道を下る。
100mも行くと、左の雑木林の斜面を登っている山道があり、そこに取り付 く。山道に入ったとたん焦臭い匂いがする。地上をなめるように火が走ったらしく 地面には下草がほとんど無く、木の根元が焼け、黒ずんでいる。
尾根に向って登っていくとカタクリの群落があったが、既に花は終わっていた。 そこから5分ほどで尾根にでた。そこにも新しい道標があり、左は富士見台、 大滝不動、右は高尾山とある。ここを右に行く。
左側の南斜面は山火事で焼けている。焦臭い尾根をピーク二つほど越えて行く と南側がほとんど木の無いところにでた。 真っ白に雪を頂いた富士山が頭だけを御坂山塊の上から出している。正面を見ると、 次のピークに道標が見える。
登り切ると高尾山頂であった。南の方の展望は抜群である。富士山と 南アルプスの峰々、眼下には中央高速とIC、遠く甲府の街並みも見える。 一休みして元来た道を戻る。展望台からの道が合さっているところから富士見台の 方へ向う。
相変わらず右側の斜面は焼けて木の根元は黒く炭化している。いくつかのピーク を過ぎると富士山の裾の方まで見えるところとなる。標識は無いが富士見台 のようである。 そこを下ると鞍部となり、左に大滝不動へ下る道が分れている。折角なので棚横手山 に行ってみることにする。
すぐ右を巻く道が分れていたが、尾根沿いの道のほうが 踏み跡が濃いので、尾根沿いの赤い境界見出標にしたがって急登する。 ところどころにピンクのミツバツツジが咲いている。25分くらい登ったところに 三等三角点の標石と真新しい白い角柱の棚横手山の標識が立っていた。
ここで昼食とした。誰とも会わず静かな山のはずであるが北側に派生している 尾根の方で人の声がする。しかし、姿は見えない。
昼食後、もと来た道を戻り、鞍部のところで右に大滝不動の方へくだる。 間もなく、林道にでた。そこには今朝ほど追い越していいった多くの軽トラック が置いてあった。
しかし、人影は見えない。山林の手入れか山菜とりか分らないが、昼飯時の人 の声の正体はどうもこれだったようである。林道を左に行くと、途中、右手の谷の向 うに雄滝が見える。やがて今朝ほどの展望台の三叉路に着き、もと来た道を戻った。
空はすっかり霞み、街並みも奥秩父も展望は効かないが、新緑が春の日差し を浴びて輝き、まぶしいくらいである。
三滝橋から沢沿いに下る途中、今日、初めて、登山者2名と会った。大善寺から 登ろうとしたが、山火事のため木が焼け、急斜面を登るための木などの手掛かりが無 く、あきらめてこちらに廻って来たとのことであった。
高尾山は展望の山のようである、今度は眼下が桃の花でピンク色に染まり、山に はカタクリが咲いている頃来たいものである。(1997−4−29歩く)

(コースタイム)
自宅4:50−相模湖IC6:05−勝沼IC6:38−前宮6:50〜7:00 −三滝橋
7:20−大滝不動8:15−展望台8:40〜50− 高尾山9:40〜9:55−鞍部分岐
10:45〜11:00−棚横手山 11:25〜45−鞍部分岐12:00〜10−
林道12:10− 展望台分岐12:30−大滝不動12:45〜13:00−前宮13:55

(地図)
・1/25000地形図 笹子 大菩薩峠
・地形図で地形を見ながら略図を参照して歩いて下さい。


●追記
・車で大滝不動まで入れます。スペースも若干あります。
・時期はカタクリが咲き、周りの山々が残雪に輝き、眼下がピンク色に染まる 4/中旬がよいと思います。
・大滝不動の赤い橋が閉鎖されているという情報もあったように思います。その時は  林道を行くとよいと思います。

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