A.山歩き/2.山紀行/・・金峰山
金峰山

ーー大弛峠から五丈岩を目指して尾根を行くーー


盆休み、大弛峠から金峰山へ登ることにする。塩山から林道川上牧丘線を大弛峠 へ向かう途中、道路工事中につき土日以外は通行禁止となっている。 今日はお盆、土日と同じようなものであろうとそのまま進む。
4、5年前、国師岳へ大弛峠から登った時は、林道が荒れており、車の腹を擦 り擦りようやく峠まで行った。大弛峠まで行けるか気がかりであったが、 舗装がだいぶ進んでいて、峠近くまで出来ていた。今年中には完成のように思われる。
今回はお盆の休みとあって混んでいて、峠の駐車場は一杯である。 林道脇に駐車し、早速、身支度して峠の左側への道に入る。
シラビソの樹林の中の階段状の道を登ってゆくと、稜線の右を巻きながら 行く緩やかな登となり、ピークを回避して稜線に出た。
稜線をしばらく行くと岩場の小さなピークに達し、そこから下りとなった。 下り終わったところは鞍部になっていて、ベンチがあり、その先に 急な道がまた登っているのが見える。地図にある朝日峠のようである。
ベンチで一休みした後、20分位い急登すると、シヤクナゲの残り花 の咲いている岩のゴロゴロしたところとなり、急に視界が開けて、岩場の展望台 に達した。
正面はるか遠くには金峰山の特徴ある五丈岩が見え、右に目を移すと廻目平付近 の岩峰が見え、後ろを見ると国師岳が見渡せられる。心地よい風が吹き抜け、 多くの人が休んでいる。 先ほどベンチで休んだが余りにも展望が良いので小休止する。
そこからシラビソの枯れ木が目立つ稜線を行くようになる。枯れ木で日当たり がよいせいか黄色のアキノキリンソウの群生がみられる。花を愛でるうちに 朝日岳に着いた。
ピークから僅かに行くと正面が大きく開け、金峰山を見渡せる大展望台となった。 そこにもベンチがあった。 金峰山側はガレていて急降下しており、さえぎるものが何もない。眼下には、 これから行く稜線やピークが見え、はるか彼方には、金峰のなだらかな岩尾根とそ の左先端に五丈岩が見える。
ピークはすぐ手前に一つと鉄山が見える。それを越えると金峰 への登りとなっている。すばらしい展望である。 年取って足が弱くなったら、ここまで来て金峰山を展望するのもいいかもしれない、 と思いながら小休止する。
そこからガレ場の急な下りとなり、足元に注意しながら下る。日当たりが良く、 この辺もアキノキリンソウが黄色く輝いている。5分も下ると平坦地にで、 そこから先ほど見えた手前のピークへの登りとなった。
いつの間にかピークに達し、 だらだらした下りとなる。樹間から五丈岩が見えてくると下りは 急となって、ベンチのある窪地に達する。
そこからまたシラビソの苔むした樹林の道をだらだら登って行く。まだ、 上にピークがあるように見えるが、鉄山の標識がでてくる。道はピークの 右を巻いている。
しばらく行くと緩やかな登りとなり、シラビソの中にダケカンバが見えるように なる。さらに登るとシラビソの丈が低くなり、ハイマツも混じってくる。
森林限界も近いかな、と思いながら登ると本格的なハイマツの道となり、 ひょっこりと岩尾根と道標が見えてくる。 そこは朝日岳からみた岩尾根の右端のようであった。尾根を渡る風が心地よい。
尾根沿いに左に行くと、右手には特徴ある岩峰の瑞牆山が思ったより低く見える。 道は最初ガレ場状であるが、そのうち岩のゴロゴロした尾根になり、 岩を飛び渡りながら行くと五丈岩が見えてきて、すぐ手前に金峰山山頂 の標識があった。
五丈岩は遠くから見るとケルン状に見えるが、近くで見ると 畳を立てたような様相で、違った感じである。畳五丈分くらいあるので五丈岩 と名ずけたのだろうか。どういうふうにして出来たのか不思議である。
今日はお盆休みとあって、大日の方、金峰山荘の方からと、大勢の人たちが登って くる。そして、岩場の思い思いのところで昼食を食べている。
我々も大日の尾根、 瑞牆山、はるか遠くに横尾山、天狗山、男山を眺めながら昼食とする。 山頂で45分ほど展望を楽しんでもと来た道を下山する。
下山は普通下りが主で、 楽なものであるが、大弛峠まではアップダウンがあり結構骨が折れる。 結局、行きとあまり変らない時間がかかった。
今回の金峰山は、真夏の熱帯夜が続く下界から涼を求めて、車で楽に登れ、 山岳的雰囲気も味わえる展望のよいすばらしい山であった。
(1995−8−14歩く)

(コースタイム)
自宅4:40−相模湖IC6:00−塩山IC7:00−大弛峠8:30〜50 −朝日岳10:00〜15−鉄山10:45−金峰山11:30〜12:15 −朝日岳13:5−大弛峠14:37

(地図)
・昭文社 山と高原地図 奥秩父(2)
・1/25000地形図 金峰山