A.山歩き/2.山紀行/・・霧が峰
霧が峰

ーーニッコウキスゲが咲き乱れる明るく開放的な草原を歩くーー


7月の中旬はニッコウキスゲが盛りである。霧が峰には何回となく行っているが、 車で行ってチョッと降りて近くを散策するだけであった。今回は霧が峰のピークを 踏むことにしょうと決心して家を出る。
旧和田峠のトンネルを抜け、有料道路に入る。ゲートの料金所でニッコウキスゲ の様子を聞くと、今が盛りであるという。しばらく行くと八島湿原のヒュッテの屋根 が見えて来た。左側の鷲ヶ峰への斜面はキスゲが盛りな頃は真黄色である。
ところが今回はそれほどでない。今年は不作なのか、まだ早いのか分からないが、 自然保護センターあたりはさすがに真黄色である。 今日は土曜日であるが祭日で連休である。車山肩の駐車場は満杯であるが、 運良く一台出た車があり、そこに入れさせてもらう。早速身支度して出発する。
何回も霧が峰に来ているが、平らな高原状であるので、どこが車山なのか見当 がつかない。地図を出して山の同定を始める。地図にあるように右に見えるピークに 右手から巻いて登っている広い道が見える。どうもあの上が車山らしい。
道路を渡り、コロボックルヒッテのあたりに行くと車山方面の道標がある。 一旦、車山が同定できると今日は展望がきくので歩くのは楽である。石のゴロゴロ した広い道を登る。途中、ハイキングツアーやアベックと会う。巻き道の肩のあたり に出るとキスゲが満開で下を見るとくねくねとした有料道路や山荘の屋根が見える。
そこから、車山肩のロッジなどの屋根を見ながらの車山への登りとなる。 少し行くとどうも頂上らしく多くの人が登っている展望台が見えてくる。やっと頂上 に着き、家内と自動シャッターで記念写真を写す。頂上直下までゴンドラが上って きていて観光客の姿も多い。
車山湿原の方を見下ろし、眼下のキスゲの黄色の原を見たり、これから行く道を 地図を見て確かめたりしながら休憩する。
今日は蝶々深山を経由して沢渡り、車山肩と周回する予定である。眼下には近道 が見えるが進入禁止で、植物養成回復中とあり、コンドラリフトわきの階段状の道を 下る。やがて車山乗越しである。
ここで左に向かう。この付近はキスゲが群生しており、車山をバックにしての キスゲの原はすばらしい。今年は寒かったせいかところどころにオレンジのレンゲツ ツジの残り花がみられ、キスゲの黄色とコントラストが映える。
さらに行くと車山肩への道が左に分かれ、蝶々深山には真っ直ぐ行く。左側が 車山湿原で、グンナイフウロ、シシウド、キスゲなどの花が咲いている。
少し行くと沢渡しへの道が左に分かれている。そこでは団体さんが立ち止まって 植物の説明を聞いている。やがて蝶々深山への登りである。
右側はもう過ぎてしまったがレンゲツツジが多い。ようやく1836mの頂上に 着き、記念の写真を家内と一緒に写す。小休止してこれから行く道を眺める。
物見岩、八島湿原へ行く道は広くはっきり見えるが、沢渡りへ行く道はみあたら ない。しかし、左に行くハイカーが見える。あのあたりが分岐にちがいないと下って 行くと、道標はないが左に分かれる道があった。
道は小高いピークに向かっている。ピークの上には家族連れが休んでいた。 下を見ると沢渡しのヒュッテやバンガローの屋根が見え、その方向に道が伸びている。
そこを沢渡しめざして下ると、沢渡りから車山肩へ登っている尾根が谷をはさん で向う側に見える。以前、 花を愛でながらであるが、炎天下のため暑く、あえぎあえぎ登ったことを思いだし、 あの道をまた登らなければならないと思うと気が重い。
ようやく沢渡しに着き、また、車山肩へ登り返す。もう、2時間半も歩いた後な のできつい。黙々と登る。途中、ヤナギランがチラホラ咲ており、疲れた気持ちをなご ませてくれる。ようやく車山肩に着いた。
12時近い。昼食を食べる場所を探すが、監視員が来て道端の草地にも腰掛けさ せてくれない。しょうがないので道端の石に腰掛けておにぎりを食べる。
時々観光客が通り、ジロジロ見ていく。全く落ち着かない。昼というのに外で 昼飯しを食べている人は一人もいない。ここは山でなく、観光地である。
駐車場に近く観光客が多いところの外で昼食を食べることが間違っているのか もしれない。ようやく疲れも取れ、ロッジの方に下る。
3時間近く周回した。一ヶ所で花を見るのでなく、歩いて花の咲く景色の変化を 満喫できて久しぶりに気持ちのよいハイキングであった。
今度はレンゲツツジの咲く頃きたいものである。車に乗って走り出したら大雨 が降って来た。今日はいいタイミングの時歩けてラッキーであった。
帰りは白樺湖、ビーナスライン、麦草峠、松原湖を通り、野辺山で高原野菜を 買って、須玉IC経由で帰って来た。(1996−7−20歩く)

(コースタイム)
自宅4:22−相模湖IC5:35−双葉SA6:20〜53−岡谷IC7:42− 車山肩8:55−車山9:40〜50−蝶々深山10:30〜45−沢渡し11:00 −車山肩11:45〜12

(地図)
・昭文社 山と高原地図 美ケ原・霧が峰

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