北八っ・みどり池
--清冽な渓流の道を辿ってシラビソの森へ--
['03-07-16]



ー霧のみどり池ー

北八つ・みどり池(03-07-16歩く)
北八つは若い頃から何回となく歩いているが、みどり池はず〜っとコースから外れていた。だが、ロマンチックなみどり池のリスのいるしらび そ小屋はいつも気になっていたし、また、以前、ある本で稲子岳にはすばらしい苔の生すスポットがあることを 読んでいつか写真に写したいものだと思っていた。
今年になって本格的にデジカメを始めて、また北八つにのめりこみだし、 気になっていたみどり池のしらびそ小屋へ行ってみることにした。それも、梅雨時はガスが出て幻想的な風景が期待できると思って梅雨の合間 を見て出かけてみた。




ー稲子岳ー



車は稲子湯にも置けるが、歩いて30分ほど短縮できる その上のみどり池入り口に置いた。林道のゲートをくぐり、橋を渡ると右手にみどり池への道がある。 そこを入って行く。カラマツの林の中の道である。林床には白い花のコバノイチヤクソウがひっそりと 咲いている。直ぐ林道に出る。この山道は林道のバイパス道であった。また直ぐ右手に林の中に入る 山道があるが、道標が消えてどこへ行くかわからない。林道なら確実なので林道をそのまま行く。




ツルアジサイ


すっと高く林立したカラマツの疎林となる。カラマツにはツルアジサイが絡み白い花を咲かせ、 ガスにかすんで美しい。梅雨時ならではの風景である。やがて右から山道が合わさってくる。 先ほどの道標の消えかかっていた山道はここに出たようである。
そのうち水の音が聞こえてきて橋を渡る。みどり池へには橋を渡って直ぐ左の林道に入って行く。 渓流の流れの音がして覗き込むと樹間に白い流れが見え隠れする。わざわざ三脚を担いで来たので、みどり池の 途中にも美しい渓流の写真スポットがあってひと安心する。しかし、帰りに写すことにして先を急ぐことにする。
5分も行くとみどり池への道は左の森の中に入って行く。それは沢沿いの山道であった。 いくつもの美しい小さな滝を伴った急流である。豊な水流は連続的にたゆまないく音を奏で、心地よい。
白くあわ立って流れる急流を道ずれに、よさそうな撮影スポットを確認しながら緩やかに登って行く。 いったん沢から離れるがまた合わさり、さらには横断する。そうすると「みどり池まではっても30分」と ある道標が立っている。この辺の滑沢がまた美しい。
ここからはシラビソの苔むす斜面の急登である。林床の苔にはミニチヤのカニコウモリのような花や ギンリョウソウが咲いている。20分も深山の雰囲気のするシラビソの道を登ると傾斜も緩み明るくなって しらびそ小屋が樹間に見えてくる。みどり池は小屋の隣りに静かにたたずみ、 時々ガスが下りてきては幻想的な風景を見せている。




みどり池で一休みしてから中山峠の方へ向かい、途中から獣道のようなところをテープを頼りに 稲子岳へと登った。山頂はザレ場になっていてコマクサが咲き乱れていた。また、あまり花付きは良く なかったが黄色で赤のすじのある変ったシヤクナゲの花も見られた。
梅雨時でもあるし余り期待していなかったが運良くガスが切れてきて、 東天狗が黒百合平方面から見るのとは違った大きな広がりのある姿を見せてくれた。この絶景を眺めながら昼食をとり、 至福の時をすごしみどり池へと下山した。













しらびそ小屋の横には餌台があって、リスが二匹かけまわり、胸の赤いような野鳥が1羽餌をついばんでいた。 しらびそ小屋の煙突からは白い煙がゆったりとのぼり、まわりの霧と一緒になって池やシラビソの森に流れて 幻想的な風景を演出していた。しばらく休憩した後、元来た道を下った。
まだ夕暮れには時間があるが、森は朝より薄暗くなっていた。その森の中を白い清冽な流れが音を奏でながら 流れ下っている。所々で美しい小さな滝の写真を写しながら下り山歩きを終えた。


























(コースタイム)
自宅4:25−みどり池入口駐車場(P)8:03〜10−橋8:40−沢(はっても30分道標)9:35−みどり池10:00〜20−稲子岳 の見える開けたところ10:55〜11:05−稲子岳入口11:35−稲子岳12:30〜13:05−稲子岳入口13:45−みどり池 14:30〜55−みどり池入口駐車場(P)16:40−自宅20:30

(地図)
・昭文社 山と高原地図 「八ヶ岳」

●特記事項
   なお、稲子岳は道標もなく一般的でないので、ガイド的記事は割愛しました。


稲子岳のコマクサ