A.山歩き/2.山紀行/・・南山

南山
(みなみやま)
宮ケ瀬ダムと丹沢の展望の山



南山('02-11-03歩く)
もう15年も前であろうか、宮が瀬ダム工事が始まったころ南山に登った。 道らしき道はなく、服部牧場の裏側からヤブをこいで登った。尾根に登りつくと津久井側からの踏みあとが あって無事南山にたどり着いた。そのとき思った。南山は宮が瀬ダムのベストビューポイントとなるだろ う、と。今回、登ってみて本当にその予想が実現してうれしかった。3年ほど前も登ったが、その時は山頂が木 に被われて見晴は良くなかったが、この度は邪魔な木は伐採され見違えるように展望がよくなっていた(上の写真)。
「宮が瀬湖水と緑のふるさと発見」というタイトルで写真を募集していたので、一つ応募してみょうと宮が瀬 ダムに行くことにした。ダムサイトからの写真は多いだろうから山の上から狙ってみることにして300mm の望遠をもって出かけた。412号線を津久井の方に向かって中津川を渡ると追い越し車線のある 坂道に差し掛かる。途中左に服部牧場への道が分かれているがそのまま真っ直ぐ登り平坦になったところに 交差点があり「あいかわ公園」方面への標識にしたがって左折する。 少し行くと二又にわかれているが左の道「あいかわ公園」方面に入っていく。南山の登山口(マップA) は二又から約200mくらいの右側にある。駐車場は服部牧場にはあるが、登山口付近にはない。 しかし、この車道は駐車禁止になっていないので広い適当な路肩に車を置いて出発する。
秋の日差しを一杯に受けた雑木林の道を左方向へ入って行く。直ぐ薄ぐらい杉の植林地を緩やかに登って行く。 途中、熊出没注意とかの看板があったりして脅かされるが、この看板はずいぶん前からあったのであまり 気にする必要ないと思う。木に似せたコンクリートの棒で整地した階段を登って行く。15分も登るとベンチ の休憩所となるが、少し開け明るくなった程度のところであまり休む気もおきない。20分ほど登るとようやく 薄ぐらい杉林から開放されホッとする。相変わらず緩やかに登ると送電線の鉄塔が立ち東屋もある開けた 場所に出る。今まで見とおしのきかない薄暗いところを歩いてきたので、歓声が出そうなところである。 眼下には厚木や津久井の町並みが眺望される。しかし宮ケ瀬ダムはまだ見えない。ここで5分ほど休憩して 出発する。
ここからは広葉樹の尾根道で気分よく緩やかに登って行く。やがてベンチのあるピークらしい ところに到達する。丹沢の山並みや宮が瀬ダムも僅かに樹間から覗いている。ここをいったんくだって 南山への最後の登りに差しかかる。南山の道で一番の急登である。浮石がごろごろしていて滑りそうな道で 鎖場となっている。しかし山なれた人ならば鎖を使うほどでもない。
鎖場は20mくらいの高さがあり、そのあとはやや勾配もゆるくなり、足場もよくなる。しばらく登ると いよいよ左手眼下に宮が瀬ダムが見えてくる。 湖畔の周回道路のS字架橋などがきらめく湖面の上にクッキリと浮いており、また、左手の仏果山の斜面 は逆光で黒々とし、湖面のブルーとのコントラストが美しい。 もう頂上かと思うところに出るが道は一旦 少し下り、右に青山・大堀への道を分け、赤松の林立する道を緩やかに登ると南山の山頂である。
山頂の宮が瀬ダム側の木は伐採され点在する赤松の間から宮が瀬ダムの遥か上流まで見通される。 また、右斜めはさらに開け東丹沢の山並みが連なって見える。塔の岳から丹沢山、蛭ケ岳のようである。 人は誰もいない。二人占めのなか目的の写真を写す。運良く遊覧船が波紋を作りながらこちらに向かってくる。
青い空、柔らかい日差し、輝くブルー の湖面ときらめくさざなみ、シルエット状に連なる山並み、等など、短い秋の日のこの時の至福をしみじみ と感じる。
折角なので南山園地まで行ってみることにする。最初は広葉樹の尾根道であったが やがて杉林になってピークらしきところへ上って行く。そうすると石仏が現れ、左手のピークに三角点の 標石があった。しかし、山の名前の標識はない。うっそうとした杉林で宮が瀬ダムが僅かに覗いているあたりまで行って昼食とする。 昼食の後、石仏の所まで戻り、本来の道を先に進んでみた。すぐ三差路になって、下記の写真()のような 道標が立っていた。左に行くと宮が瀬・鳥屋で、右は立派な道であるものの道標はない。そしてすぐ傍に雨量計 の設備があった。ここのあたりの杉の木にはおびただしいほどのテーピングがあり、伐採して園地とする予定の ように思われる。今日のハイキングはここまでとしてもと来た道を引き返した。

(コースタイム)
登山口(略図A)10:15--鉄塔10:40〜45--南山山頂11:15〜11:30--南山園地予定地三角点 12:05〜25--南山山頂13:00〜10--登山口14:00

(略図)


(写真)


●追記
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