A.山歩き/3.山紀行/・・日光白根山
日光白根山

ーーマルバタケブキ咲く弥陀ケ池を巡り、火口の岩場を登るーー


朝4時45分に自宅を出発する。関越を通って山歩きするのは始めてである。
関越に入るまで渋滞すると山登りができなくなる。第3京浜の出口までは順調に行く。 それから環八を走るが以前と比べて鉄道や国道との交差点が架橋および地下トンネル になっていて、スムースに関越入口まで1時間30分で到着した。
それより沼田ICまで2時間、沼田から菅沼まで1時間10分かかり、 菅沼茶屋の駐車場を出発したのは9:30である。 それから6時間かかるとして、戻ってくるのは予定通りいって16時30分である。
茶屋の裏手の広い林道を少し進むと右手に入る登山道がある。 その付近はハンゴンソウの群生地で、黄色い花を咲かせている。 しばらく行くと石混じりの凸凹道をジクザク登るようになる。 シラビソの薄暗い道である。1時間も行くと一旦平坦になり、 花の終わったシャクナゲの混じった道となる。
そのまま行くのかと思ったが、またまた岩混じりの急登が続く。 尾根らしきところに到着するとカニコウモリの花が目立つようになって、 やっと平坦となった。
しばらく行くとマルバタケブキの黄色の花がボツボツ 見えてくる。そのうち弥陀ケ池らしき水面が樹間に見え、 さらに近ずくと右手斜面のマルバタケブキの群生が目に飛び込んできた。 正面を見上げるとよく写真で紹介されているシラネアオイ咲く弥陀ケ池からの白根山 と同じ風景が見える。しかし、シラネアオイは鹿にすっかりやられて無くなっていた。 既に多くの人が池のそばで休んでいる。われわれも小休止する。
木道を行くと、 さらに広い右斜面にマルバタケブキの花が一面に咲いている。丹沢でもみかけるが こんなに大きな群落は初めてである。そばに道標があり、左は五色沼、右は白根山とある。 これから登る白根山を仰ぎ見ると山頂付近まで道がのぼっているのが分かる。 そこを登っている人が豆粒のように見える。ここまで2時間も登り、 さらに1時間の急登が待っている。気を取り直して出発する。
最初は急な登りのダケカンバが点在するマルバタケブキの斜面を登る。 振り返ると向う斜面には先ほど見たマルバタケブキの群落が見える。 ひと登りするとやや平坦になり、眼下に弥陀ケ池が見えてくる。
さらに緩やかに登って行くと高山らしくなり、シャクナゲが生えているガレ場 の道となる。眼下には五色沼も見え、向い側には五色山、前白根山だろうか 外輪状に山並が連なっている。上を仰ぎ見ると頂上付近の大きな岩場が迫ってくる。
岩の間を一歩一歩登る。ようやく登りきってみると、目の前が切れ落ちており、 下を見ると目がくらみそうだ。
さらに左のピーク目指して岩場やガレ場を登っていく。 これで頂上かと思ったが、右手向うの一旦下ってまた登ったところに道標が見える、 そこが頂上らしい。
もう、12時も過ぎ、だいぶくたびれてきた。 水を一杯飲んで元気をつけて岩場を下り登り返す。 ようやく頂上に着いた。頂上で写真を写し、火口のガレ場の白根神社のそばで昼飯しとする。 時々ガスが昇ってきて視界をさえぎる。
昼食後、火口に沿って五色池の方に廻りこんで下ると、 マルバタケブキの黄色い花が咲き乱れ、白い枯れ木がオブジェのように点在する 広い草原の斜面に達する。斜面の遥か下に避難小屋が見える。下るにしたがって ダケカンバが多くなり、道はゴロゴロした大きな石で歩きずらい。
ダケカンバの林を抜けてようやく草原にでる。花は余りなく、 フウロウがポッンポッンと咲いている程度であった。 左に行くとほどなく避難小屋に着いた。そこから五色沼へ下る。
五色沼は白根山に囲まれ静かなたたずまいを見せている。 対岸にはダケカンバが繁り、根元には黄色いマルバタケブキが群生し、 水面に黄色い蔭を落としている。
足元の沼の周りの草原は高山植物 が豊富ときいていたが、時期が過ぎたのか白いシラネニンジンがある程度である。
小休止した後、弥陀ケ池へ向う。 平坦なところを行くと思ったら一旦登らなければならないようで、 疲れたところに30分のアルバイトはきつかった。池までは下るものと思ったら 白根山と五色山の鞍部の平坦なマルバタケブキの咲く道を行く。 やがて弥陀ケ池に着いて周回コースが終わった。
一休みして菅沼に下る。下りは思ったより早く、1時間15分で駐車場に着いた。 シラネアオイの咲く白根山に登ってみたかったが、花あり、沼あり、岩場ありで 結構変化のある山歩きができ満足であった。
この日は奥日光湯元ロッジに泊まり、温泉で汗を流した。 翌日は赤沼に車を置いて小田代原を歩いた後、帰路についた。(1997−8−3歩く)

(コースタイム)
自宅4:45−沼田IC8:05−菅沼茶屋9:15〜30−弥陀ケ池11:25〜35− 白根山13:00〜20−五色沼14:20〜30−弥陀ケ池15:02〜15 菅沼茶屋16:30

(地図)
・昭文社 山と高原地図 日光(奥鬼怒・奥日光)
・1/25000地形図 男体山

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