A.山歩き/2.山紀行/・・将監峠・牛王院平
将監峠・牛王院平

ーー山上のつつじ咲く箱庭のような明るく開放的な草原の牛王院平ーー


笠取山や白沢峠を歩いているうちに、近くに将監峠・牛王院平とか 変った名前のところがあり、気になっていた。ガイドを読むとレンゲツツジが 咲くようであったので、花の頃に歩いてみた。
新犬切峠から作場 平橋を経て三ノ瀬に至り、民宿「みはらし」に車を駐車する。駐車料は1日500円 であった。将監小屋へ沢沿いの林道を登る。最初は杉の植林の中の道で、薄暗い道であっ たが、沢を渡りきると雑木林に変り、ハルゼミの声も聞かれるようになる。
やがて、牛王院平への道が左にのぼっているが、林道をそのまま真直ぐ登っていく。 上るにしたがってカラマツの林に変り、途中セナカアブリという変な地名のところ があったり、滑り台のような1枚岩の清冽な流れがあり、ニリンソウが咲いていたり する。
だんだん稜線が見えるようになるとヤマツツジの花がところどころに咲い ており、心を和ませてくれる。そうこう2時間も登ると将監峠と小屋との分岐となる。 左手の峠の方に向った。
やがて、右下に青い屋根が見え、小屋のようだ。少し行く と小屋からの道と一緒になって将監峠についた。峠は明るく開けた草原で、まるで 庭園のようである。いつまでもいつまでもそのまま居たい気分である。
一休みしてレンゲツツジを求めて牛王院平の方に行く。左手に防火帯のような 草原が登山道と平行して続いている。そちらを見ると真っ赤なレンゲツツジが咲い ていた。この分だと満開のツツジが見られるかもしれないとわくわくする。
やがて、つつじ咲く草原の広場に出た。 澄み切った青空、緑の草原、シラビソ の立木、朱色のツツジ、絵になりそうな風景である。
広場の右手にはこんもりとした丘があり、その向うに何があるか興味があった が、牛王院平にはもっとすばらしいところがあると思い、奥秩父の雰囲気のする シラビソの樹林の道を行く。
すぐ道標があり、牛王院平とある。そこは三ノ瀬への分岐でもあった。 今日はここから三ノ瀬へ下ることにする。丁度、昼時であるので、景色のよいところ を求めて左から続いている防火帯を将監峠の方に歩いていくと、ツツジの咲く 丘があった。
そこに登って驚いた。さきほど登ってみたいと思った草原の広場の丘であった のである。そこの立木に牛王院平1860mと刻印された木版がぶら下っていた。 嗚呼そうだったのか、牛王院平はここだったのかと納得した。
そのピークからはツツジ咲く広場が箱庭のように見渡せ、遥か将監峠の草原 の向うには飛竜山への尾根が連なって見える。本当にすばらしい開放的な景色である。 亡くなる時はこういうところで自然に抱かれて亡くなりたいものだ、 と思ったくらいである。本当に心の安らぐ風景であった。
ここで昼食とし、時間の許す限り、笠取山の方に向う。結局、山の紳土まで行 って唐松尾山、白石山への分岐を確認して戻り、牛王院平から七ツ石尾根を三ノ瀬 へ下った。 (1998-6-20歩く)

(コースタイム)
自宅5:10−三ノ瀬駐車場8:15〜30−セナカアブリ9:12 -小屋分岐10:17−将監峠10:25〜40− 牛王院平11:05〜45−山の紳土12:00−牛王院平登山口12:50− 三ノ瀬駐車場13:25

(地図)
・昭文社 山と高原地図 大菩薩連嶺


A-2[山紀行]へ戻る