A.山歩き/2.山紀行/・・玉原
玉原高原付近の山 (1)
-- 尼ガ禿山 --




ー梅雨の合間に、ガスに煙るブナ林と湿原を歩く。梅雨時ならではの幻想的な風景でしたー

尼ガ禿山(03-07-10歩く)
玉原高原はブナ林と玉原湿原、ラベンダー畑で有名である。ブナの新緑も湿原の水芭蕉 も終わって山の旬は過ぎているが、ラベンダーを見るついでに 山へ登ろうと思って梅雨の合間を見て出かけてみた。実際は山が主で、ラベンダーはご挨拶程度に なってしまった。
いつもの通り自宅を4:30ごろ出発する。 関越利用は赤城山以来である。赤城付近は霧が濃く前方100mくらいしか視界が効かず、50km走行規制であ った。
沼田ICから玉原への道は沼田市街地に入ってから右折と頭に入れてきたが、予想に反してICを右折する と直ぐの一つ目の 信号のところに玉原高原、500万本ラベンダーなどの看板が右折を促している。この方が市街地に 入らずに済むし、よさそうなので、これにしたがって行くと要所要所に標識があり、何の心配なくすんなりと 玉原高原のセンターハウスに着いた。





    





センターハウス付近は閑散としている。駐車場には車は一台もない。 こういう時期にくる物好きは我々くらいのものだろうか。 センターハウス内の売店は閉じているが、トイレは利用でき、遊歩道路のパンフレットも置いてあったので もらって出発する。
林道を緩やかに下って行く。林道の両側は熊笹にブナやミズナラ、ダケカンバの混じる鬱蒼とした樹林帯 である。熊でも出るような東北の山の雰囲気である。少し下るとブナの涌き水というのがあり、飲んでみたが どういうわけか意外にも生ぬるい。やがて湿原入口となる。帰りに寄ることにして右に見送って 朝日の森のロッジ方面に進んで行く。
すぐに玉原湖の入り江の橋を渡る。湖の全景が見えるのかと 期待したが、生憎ガスって湖は見通しがきかない。しかし、静かな幻想的な風景が目の前に広がっている。 湖畔には黄色いツリフネソウやが咲き、葉っぱが雫でキラキラと光っている。
霧に煙る雑木林を過ぎると、林道はY字に分岐している。道標にしたがって朝日の森ロッジ方面へ 左に緩やかに登ってゆく。林道脇にはピンクのヒヨドリバナが咲き始めている。分岐の要所要所に真新しい 道標が立てられていて迷うことはない。
林道の両側にブナの大木が見られるようになると、道端にオダマキが咲き、 ロッジが見えてくる。朝早いせいか閑散期のスキー場のロッジのように無人の建物がシーンと静けさを漂わせている 。その左脇を抜けてグランドみたいな広場を突っ切って森に入ると道標がたっていた。ここが尼ガ禿山登山口である。 湿原への分岐にもなっていたので帰りにはここから湿原に廻ることにして、左のブナの森に入って行く。







ここからブナの森を緩やかに登って行く。森の中はガスっており、ブナの幹や葉っぱ、つたの葉っぱな どがシルエット状なり幻想的な雰囲気を漂わせている。幸いガスっているが雨は落ちてこない。梅雨の頃ならではの 風景を楽しみながら写真を写しながら緩やかに登って行く。












大抵の山は途中から笹原になって開けたりするものであるが、この山は 行けども行けどもブナの森である。それも緩やかなのぼりである。また、分岐には丁寧に所要時間まで 書かれた真新しい道標が立ち、安心して登れる。
登るにしたがってブナの大木に 高々と絡みついたツルアジサイが現れてくる。白いツルアジサイの花が絡みながら這いあがって 霧の中に消えていっている。本当に幻想的で美しい。
やがて左側が切れている稜線に出る。雨がポツポ ツ落ちてきた。ガスが濃く、左側が開けているが何も見えない。一筋の道が霧の中に消えていっているだけである。 間もなく真新しい標識の柱がうっすらと見えてきて山頂に達した。残念ながら眼下の玉原湖や谷川岳、武尊山は見えない。 雨も本降りになりそうなので小休止して下山することにした。



    




朝日の森ロッジの登山口から左に下って玉原湿原に向かう。標識どおりいったところ 今朝の湿原入り口に出てしまった。そこから木道を通って湿原を一周してみた。キンコウカが花盛りで、所々に トキソウ、サワラン、ミズチドリ、それに時期が遅かったがアヤメが残り花を付けていた。
霧が流れて湿原の周囲の木々や湿原の花が見え隠れする風景を眺めながら木道の広いところで昼食をとり、 至福の時をすごした。昼食も終わる頃雨が本格的に降りだしてきた。名残惜しいがセンターハウスの駐車場に戻ることにした。
だいぶガスが濃く、ハーブが見えるか 疑問であったが、折角なのでスキー場のハーブ畑に寄ってみた。 ガスがかかり見通しは悪いし、雨は降っているし、またラベンダーも時期早尚のようであるし、 リゾートセンターの周りを少し歩いておしまいにした。唯一良かったのはハーブ畑の入場料 を取られなかったことである(笑)。ラベンダー祭りは7/17からとのことであった。
ハーブは見れなかったが、梅雨時ならではの幻想的なブナ林や湿原の風景を見れていい山歩きであった。 次ぎはラベンダーの咲くころラベンダー畑の上の鹿俣山に登りたいと思っている。

(コースタイム)
自宅4:25−赤城高原SA6:50〜7:25−沼田IC7:33−玉原高原センターハウス8:04〜11−湿原入口8:20− 朝日の森登山口8:40−尼ガ禿山山頂25分道標9:17−鉄塔9:25−尼ガ禿山山頂9:55〜10:05−鉄塔10:23 −朝日の森登山口10:45−湿原入口(一周と昼食)11:15〜12:10−センターハウス(P)12:20−(ラベンダー畑) −自宅17:15 


(地図)
・昭文社 山と高原地図 「谷川岳-苗場山・武尊山」
沼田市HPで紹介のハイキングマップ


森で見つけたハナビラタケ