A.山歩き/2.山紀行/・・長者ガ岳−天子ガ岳
長者ガ岳−天子ガ岳

ーー富士山と桜、鯉のぼりの風景を歩くーー


ゴールデンウイークの後半の休みがスタートした。予報では渋滞しそうである。 余裕をみて自宅を5:35に出る。厚木より東名に乗って順調に走っていたが、 御殿場で車線が減ったところから渋滞しだした。
今日の山歩きは白糸の滝に車を置いて、そこから8:00のバスで田貫湖入口 まで行って、長者ガ岳−天子ガ岳−白糸の滝と廻るコースである。そのため白糸 の滝には8:00まで着かなければならないが、富士ICが7:30になってし まった。
これではバスと同時に富士宮スタートで競争である。間に合うかぎりぎ りである。途中、有料道路から一般道になったところで少し渋滞し、結局、白糸 の滝に着いた時は数十m先をバスが走っていた。
今日は天子ガ岳往復と決めて歩 き出したところ、右手にタクシー会社があった。ここで予定を変えてタクシーに 乗り、田貫湖へ向かう。10分程度でキャンプ場に着いた。料金は1720円で あった。
キヤンプ場のバンガローの間から杉林を登り、尾根に出ると、長者ガ岳まで 伸びている東海自然歩道と合さった。山道の左側は杉の植林帯で、 右側は雑木林やカヤトで山桜が点在している。道は広く、振り向くと大きな富士山 が目前にそびえている。結構きつい上りを登りきると休憩舎となり一休みする。
そこから少し登ると左側の杉林が切れ、展望の良いところとなった。 左下には田貫湖の湖面が輝き、左前方には満開の桜越しにこれから登る長者ガ岳 が望まれる見晴らしのよいところであった。
ここからベンチまで45分ほどの急登である。左側は杉、桧であるが、右側は 雑木林で、ところどころに満開の桜が咲いており、疲れた気分を癒してくれる。
ベンチを過ぎると急登も緩くなり、木々も広葉樹となる。道端のアズマイチゲが 心をなごませてくれる。向うにピークが見える。頂上かと思ったがそこまで 行っても緩やかな上りが続く。
そこから、首から腹にかけて白い模様のあるかわいい小鳥が5、6分程我々を 先導してくれた。我々に追いつかれては数m飛び、また追いつかれては数m飛ぶ、 の繰り返しで、疲れも忘れさせてくれた。
そうこうしているうちに頂上に着いた。1時間45分かかった。 頂上にはベンチがあり、既に2パーテイが休んでいた。正面には冬枯れの 木の間から富士山が見えた。
写真を写し、小休止して天子ガ岳に向かう。 木々の芽吹きはまだであるが、青々としたバイケイソウが春を告げている。
なだらかな気持ちのよい尾根道が続き、鞍部の天子湖方面への分岐を過ぎると 天子ガ岳への急登となる。傾斜は緩くなるが頂上は先の南端であった。その付近 は広々としており、石の祠がポッンとあった。
時計を見たらまだ11:00である。昼食には早く、下ることにする。 青々としたバイケイソウの群落を左手に見て、南向きから富士山の見える東方 向へ廻り込むと右に東海自然歩道が分かれている。 そちらがメインの道であるが、立石には真っ直ぐ行く。ここは間違い易いので注意 を要するところである。
そこから富士山を正面に 見ながら急降下する。桜の木はあるがまだ早く蕾である。40分ほど下ると傾斜 が緩くなり桜並木となる。桜は葉が多い山桜のようでさわやかである。 桜の下で昼食とする。
ここから杉林を延々と30分も下り、ようやく林道に出る。車が5、6台置いて ある。ここに車を置いて天子ガ岳を往復する人も多いようだ。林道を突っ切り、 また、杉林の中の広い道を延々と30分も下る。杉林が途切れ、左手に富士山 が顔を出す。今まで視界の効かない杉林の道を延々と下ってきたので、 ホッとする。
やがて林道となり、立石までの案内もでてくる。林道を少し下ると 橋があり、河原で顔や手を洗いサッパリして、また下る。
まもなく、右手に 白山大権現の鳥居とお宮が見えてくる。少し登りとなり、そこを登りきると 佐折の部落が左手に見え、その向うに富士山が空に浮いて見える。
富士山の頂上の平坦部が左上がりになっており、今まで見なれた富士山と感じが違うが、 民家の鯉のぼりと富士山がよく合い、心がなごむ。 今日の山歩きのフイナーレにふさわしい山里の原風景である。この後、 白糸の滝を見物して帰路についた。
(1996−5−3歩く)

(コースタイム)
田貫湖キヤンプ場−−1時間45分−−長者ガ岳−−45分−−天子ガ岳−−1時間10分 −−林道−−45分−−白山大権現−−40分−−白糸ノ滝
(地図)
・山と渓谷社 アルペンガイド 「富士山周辺、駿遠の山」

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