A.山歩き/2.山紀行/・・姥子山
姥子山

ーーアプローチも紅葉の楽しめる展望の山ーー


姥子山は2年越しの再トライである。地図によると姥子山は西峰と東峰がある。 計画しているルートは略図の奈良子林道A地点から,東峰に取り付き西峰を経て 百間干場に戻る周回コースである。
昨年は奈良子林道への入り口が分らず奈良子川渓谷のモミジ狩りで終わって しまった。 地形図や一般市販の地図には奈良子林道しか載っていないので間違うわけはないが、 現地に行くと略図のX地点から船窪林道が真っ直ぐ伸びていて、如何にも 本線のようである。そこに迷い込んでしまったのが昨年の失敗であった。
今回は、X地点から右折するのが奈良子林道であることが分ったので、A点を 探し出して無事取り付くことである。
中央高速の大月ICで降りて岩殿山の右下を通りぬけ139号線を丹波の方に 向う。途中、金山鉱泉方面を左に見送り、しばらく行くと奈良子川の橋にかかり、渡 って直ぐ左折する。そして、奈良子川沿いに行き、奈良子、矢竹の部落を過ぎると 道は高度を上げ、部落を,眼下に見渡せるところに達する。
遥か下の紅葉した山の麓の斜面には、赤い屋根の民家や、白く輝いている屋根の お寺、屋敷を取りまいている大きな樹木などが模型のように小さく見える。 それは秋日和ののどかな山村の原風景であった。
いつまでも見ていたい思いを振り切り、渓谷沿いに紅葉を愛でながら行く。 やがて川は林道と近くなり、略図Tの橋に達する。昨年、林道を見落としているので、 ここから地形図を見ながら慎重に進む。右手に林道を一つ見送り、次の分岐で本線で ないような右の林道に入る。ここから略図の登り口Aを探しながら行く。
ヘヤーピンカーブのところらしいが、同じようなところが幾つもあって、分ら ない。道標や印を探すが、それも見当たらない。 そのうち林道は高度を上げ、右手に展望が開けてきた。
カラマツの黄葉の山並の向うに富士山が浮いている。絵になる風景で、写真でも写 したいが、今回もまだ登り口が見付からないので、あまり道草をしてもいられない。 先を急ぐことにする。
もう、過ぎてしまったと思ったが、この先どうなっているか進むことにした。 カラマツ林の斜面を登っていくと、勾配も緩やかになって前方に姥子山らしき山が見 えてきた。どうも姥子山の肩に来てしまったらしい。
肩から登るとすると余りにも短い。どうしょうかと考えているところに地元の人 らしい地理に詳しい人が車で上がってきた。
姥子山への登山口を聞いたところ、船窪林道を真っぐ行ったところであるとの ことであった。違うような気もするが、引き返して船窪林道を真っ直ぐどこまでも行 くと道標があった(略図のP点)。
それは金山峠、雁ガ腹摺山方面を指す道標だった。チョッと違うようだが、路肩 の広いところに車をとめて出発する準備をしていたら、タクシーが登山客を乗せて登 って来た。姥子山に登るといって先の方へ行った。
我々もその方向に歩いて行くとタクシーが戻って来た。聞いたところ、右側に 雁ガ腹摺山方面とあり、どうもおかしい、と話していたとのこと。我々もこの先が 姥子山と聞いたが半信半疑であった。
一旦、金山峠に登って出なおすことにした。紅葉の混じった雑木林の道を緩やか に10分も登ると金山峠であった。その標識ではじめて我々の位置が分った。 車をとめたところは百間干場の近くで、ダイレクトに姥子山に登る道でないことがわ かった。
引き返して行くと、タクシーの登山者が同じように登って来た。 説明したら分ったらしく引き返して雁ガ腹摺山方面へ登って行った。
彼らも略図のA点から姥子山に登るつもりであったが、タクシーが、我々の昨年 と同様に間違えて船窪林道に入ったものと思われる。
百間干場よりカラマツや桧の植林の急登の道を黙々と登り、1時間20分もする と、上にガードレールが見えてきて、今朝ほど途中まで車で登った奈良子林道に飛び 出した。略図のH点である。そこには車が3台ほど駐車していた。雁ガ腹摺山へ登っ ているようである。
この林道を右に10分も行くと姥子山の登り口となる。笹の繁る道を登って行く と西峰に着くが何の標識もない。隣りの東峰へ向けて、一旦下り登り返すと姥子山の 標識のある頂上に着いた。頂上は東から西にかけて遮るものは何もない岩峰であった。 特に富士山が山並の上に浮かんで見える姿は雁ガ腹摺山からの富士山に見劣りしない すばらしい展望であった。
まだ、11時で早いが、富士山を眺めながら昼飯を済まし、もと来た道 を引き返した。百間干場に着くと右側の川の対岸に川と平行した橋が見え、金山峠へ の道が地図の通りあるようだった。今朝ほど登った金山峠への道は新しいくできたも ののようである。
今回の姥子山の山歩きはP地点からの往復で少し物足りないところがあったり、 またA地点からの登りを宿題として残してしまったりしたが、頂上からの富士山の 眺めと奈良子川渓谷の紅葉のすばらしさがそれをカバーしてくれた。
(1997−11−8歩く)

(コースタイム)
P地点8:30−金山峠−P地点9:00−百間干場9:10−林道10:15− 姥子山10:45〜11:15−P地点12:35

(地図)
・昭文社 山と高原地図 大菩薩連嶺
・1/50000 地形図 都留 丹波
・姥子山周辺略図



●追記
  1. 前年は帰りに松姫峠を越えて小菅村まで行き、上野原に戻ってきました。松姫峠 までの紅葉のすばらしさには驚きました。隠れた紅葉スポットです。是非1度行ってみ てください。
    時期は例年ですと11/上旬です。
  2. 今回はP点からの往復でしたが、奈良子林道をH点まで上がって、姥子山、雁ガ腹摺山 を往復するのも良いと思います。H点から雁ガ腹摺山までは登り片道1時間位です。

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